内容説明
ITベンチャー経営者。それが著者の学生時代の肩書きだった。新興ITベンチャーが次々に株式公開をし、青年社長が数十億円の富を手に入れていた時代。しかし、著者の疑問はどんどん大きくなっていく。「自分は本当は何をしたかったんだろう」。そして、たどりついた結論は「日本の役に立ちたい!」だった。NPOを立ち上げ「病児保育サービス」を始動。挫折を経験しながらも、事業を全国に拡大していった汗と涙と笑いの軌跡。
目次
第1章 学生でITベンチャー社長になっちゃった
第2章 「社会を変える仕事」との出会い
第3章 いざ、「社会起業家」!
第4章 大いなる挫折
第5章 世の中のどこにもないサービスを始める
第6章 「地域を変える」が「社会を変える」
著者等紹介
駒崎弘樹[コマザキヒロキ]
1979年、東京都江東区生まれ。日本の社会起業家、NPO法人フローレンス代表理事。慶応義塾大学総合政策学部在学中に、ITベンチャーの社長になる。同大卒業後、「病児保育問題」を知り、NPO法人フローレンスを立ち上げる。社会起業、新しい公共に対する若手を代表する論客でもある。2007年、Newsweek日本版「世界を変える社会起業家100人」に選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
26
【1回目】社会の動きの「最先端」について書かれている本にとっては、7年という歳月は大きい。フローレンスを取り巻く状況もずいぶんと変わったことだろう。ぜひ、「後日譚」を読みたいものである。「上流で赤子を川に落とす男(=社会構造のたとえ)と、下流でそれを一人一人救っている男(=問題解決にあたっている人々のたとえ)」の話は示唆に富む。問題を生み出している「社会構造」と、そのあり方・存在への無知・無関心が「問題」を生み出し続けていることにこそ、注意を払いたいと思った。2018/01/02
nowhereman
20
著者は、在学中にITベンチャーの社長を務め、卒業後ソーシャルアントレプレナーとして、病児保育のNPOを立ち上げている方。この本は、ものすごく勿体無い。著者の考え方や生き方は大変素晴らしく、心から尊敬する。但し、文章が軽すぎることや、ここで笑って下さいという箇所が無数にあったことに引いてしまい、あまり伝わってこなかった。著者にしか経験できないような興味深いエピソードもたくさんあったので、普通のテンションで書けば、十分おもしろいはずなのに、と尚更残念に思った。2015/11/18
ホシ
13
引き続きNPOのお勉強。著者の駒崎氏は病児保育のNPOを立ち上げた人物。NPOに関する知識が学べるのは言うまでもないが、軽い筆致の文体はまるで映画を見ているような気分にさせてくれる。工藤氏の本には、あまり無かったNPOの”ウラ“側についても言及があり、これはやるせなかった。行政が出来ない所をNPOがしようとしているのに、首長がそれを妨げたり、公務員が「迷惑」と言ってのけたり…。しかし、一番の問題は「無関心のくせに依存する」病気にかかってしまった、私たち日本人の精神。駒崎氏の主張に、自身を反省する。2017/10/06
utihi
12
あとがきの中にあったマハトマ・ガンジーの言葉「あなたが見たいと思う変革に あなたがなりなさい」 日常の中にある様々な疑問や大なり小なりの不自由さなどを感じたら、そこで思考を止めてはいけないのだなと。小さな気づきが社会を変える一歩になるのかもしれない。2015/04/07
とろこ
11
熱くてまっすぐでピュアで、でもキレイゴトじゃない。「お世話になっております(昨日初めて会ったのに??)」なんてつっこみながらの一歩一歩は、スマートではないのにめちゃくちゃかっこいい。 これだけの話術があれば人も集まるだろうなあ。 「なんかちがう」「このままでいいの?」 その違和感までなら持ったことのある学生も多いと思うが、それを「何とか」した人の話。聞いてみる価値は、大いにあります。2013/04/08