出版社内容情報
『三国志』の主人公の一人、諸葛孔明は、今なお「戦略家」「参謀」の典型とされる。希代の人物の卓越した事績を紹介し、その素顔に迫る。
内容説明
『三国志』の主人公の一人である諸葛孔明は、三国時代(220~280年)、蜀の宰相として活躍した。彼は、曹操の魏や孫権の呉に比べて劣勢だった蜀の勢力を拡大し、主君の劉備亡き後も、縦横無尽の機略によってよく支えた。そして二千年を経た今日なお、「戦略家」「参謀」の天才として語り継がれている。基礎文献を丁寧に紹介しながら、この稀代の軍師の素顔と事績に迫る。
目次
外戚と宦官
群雄の割拠
曹操と劉備
孔明の出身
草盧の三顧
曹操の南征
赤壁の戦
荊州の占領
益州の征服
漢中の占領〔ほか〕
著者等紹介
植村清二[ウエムラセイジ]
1901‐1987。大阪市に生まれる。東京帝国大学文学部(東洋史)卒業。旧制松山高等学校教授、新潟高等学校教授を経て、1949年、新潟大学教授。退官後、国士舘大学教授となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さすらいの雑魚
38
孔明のヨメ で人気沸騰な蜀漢の丞相諸葛亮の評伝です。良資料に拠って書かれたストイックな良書。政戦両略に通じ書画音曲や発明開発にも秀でた万能型の天才だが戦術レベルの機略には欠ける所があるとか法家思想を奉じ細かく法を定め公平だが厳しい統治をおこなったとか当時の評価や正史を元に伝説の軍師の実像を描く。孔明のヨメは12巻現在で劉備軍と合流したとこだが、ここらで終わっておくが良くないか?本書を読むにつけ、この先の状況は一瞬の栄光のあとはシリアスに過酷になるばかり。私は月英ちゃんが悲しむ姿は見たくないのね。2021/10/26
k_samukawa
2
直木三十五の実弟としても知られる故・植村清二氏の孔明伝、二度目の復刊。昭和30年代に書かれたとは思えない良書であり、この分野では古典的一冊。ようやく文庫に採録されたことで、三国志好きに広く読まれることを期待したい。また、ご子息・鞆音氏による解説もすばらしい。特に306ページの3段落目は涙腺決壊であった。2011/05/27
プヨ
1
時代の流れが巧くまとめられている。客観的で読みやすい。孔明が実は戦争は苦手で内政向きだったというのが妙に頷けた。2006/10/12