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ちくま文庫
タイムトラベルの哲学 (新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 261p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480427823
  • NDC分類 112
  • Cコード C0110

内容説明

タイムトラベルといえば、その実現可能性や、矛盾(パラドックス)の有無ばかりが話題にのぼる。しかし、そもそもタイムトラベルとは何かを、私たちは理解しているだろうか。過去や未来に行くとは、正確にはどういうことだろうか。タイムトラベルの思考実験を通じて「流れる時間」という常識を疑う、独自の視点からの時間論入門。文庫化にあたって加筆増補。

目次

タイムトラベルとは何か
第1部 タイムトラベルの理解可能性
第2部 時間モデルとタイムトラベル
第3部 だれが時間を語るのか
失われた時を求めて
時間対称的タイムトラベル

著者等紹介

青山拓央[アオヤマタクオ]
1975年生まれ。千葉大学大学院博士課程単位取得。日本学術振興会特別研究員などを経て、山口大学時間学研究所准教授。哲学の観点から、とくに時間、言語、自由を考察(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

猫丸

10
時間論。未来へのタイムトラベルが時点Aから見た未来の時点Bへの瞬間跳躍であるとすれば、それはAB間の時間経過を経験しないことと同じ。その間、世界は彫像のように凝固し続ける時間旅行者を見るだろう。「未来へのタイムトラベルとは未来への移動の促進ではなく、それを妨げることで実現される」(p.226)。相対論のウラシマ効果はこの観点で捉えると明快だが、場所の同一性を確保できていないのが憾みか。p.158にアキレスと亀問題に関して「二点同時指定」という重要な指摘がある。2023/12/02

ichiro-k

8
本書ではタイトル通り「タイムトラベルの定義とそのパラドックス」で、ほとんど理解せずに読了。しかし、自分自身の考えている「時間」の捉え方が整理できた。直観的に次を思う。 「時間」とは、<世界の今A><世界の今B><世界の今C><世界の今D><世界の今E> 「私の誕生」以降<私の今①(世界の今F)><私の今②(世界の今G)><私の今③(世界の今H)><私の今④(世界の今I)><私の今⑤(世界の今J)><私の今⑥(世界の今K)><私の今⑦(世界の今L)><私の今⑧(世界の今M)><私の今⑨(世界の今N)>2012/03/13

仮ッ子

3
過去を思い起こすとき、それは現在の感覚抜きにはなしえない。いくら「ありあり」、と思い浮かべたにせよ、今の私、を通しての感じ方でしかない。「いまある」感覚に心を動かすこと、それはとてつもないリアリティ。過去に逃げず、未来に期待を賭けずぎず、今を生きることをしたい。2011/02/16

鷹図

2
本書はタイムトラベルの「哲学」である。それゆえにタイムトラベル(タイムマシン)の「論理可能性」について良く精査されているが、「実現可能性」については最低限の事象に触れるに留められている。作中の言葉を借りるなら「相対論の大ざっぱな解説をもとに実現可能性をほのめかす」類いのモノを期待すると、肩すかしをくらう本格的な哲学書だ。後半の大部分を占める時間論はカント哲学などを援用し、全く新しい視点を与えてくれる。特に「アキレスと亀のパラドックス」の解決の一例などは、その一章だけでも読むに値するものだった。良作。2011/03/23

なかじま

1
時間のトリックを使った映画が大好きなので読んだ。祖父殺しのパラドックス、答えなくない!?と思ってたけど、単線論と可能性の分岐論との違いでちょっとだけ腑に落ちた気がする。この瞬間に、この人生のこの時点に存在する〈私の時間〉がなんかものすごく尊いものに思えた。 タイムトラベルって実証の仕様がなくて自分の考えが合ってるのか確かめることはできないけど、筆者がこんな考えてもどうしようもないことを考えてしんどくなるけどそれが最高におもろいと述べていて、わかる〜〜〜〜となった💡2022/07/05

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