ちくま文庫
知識人の裏切り―どこまで続く、平成日本の漂流

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  • サイズ 文庫判/ページ数 365p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426987
  • NDC分類 304
  • Cコード C0195

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

高度経済成長至上主義をまっしぐらに突き進んできた日本は、昭和の終わり、狂乱バブルの破綻とともに針路を見失い、平成に入っても長い低迷を続けている。専門主義の狭さと合理主義の浅さでは、人の営為である経済現象をそもそも捉えることはできない。なぜ多くの知識人は世論をミスリードしたまま、その誤りを認め修正しないのか。―今日を予言するかのような1992年の対談に、2009年の再検証を加えて刊行。オリジナル文庫。

目次

欲望という名のメディア
映像が持つ理性の落とし穴
八〇パーセントの人のための真理
オッパイが作り出す視聴率
テレビ出演のジレンマ
退屈の中の弱い心に侵入する疫病
若者が言葉を喪失した八〇年代
恋愛が成立しないのは男だけの責任ではない
変革は女性の情緒的行動から始まる
日本に必ず飢餓が訪れるいくつかの理由〔ほか〕

著者等紹介

西部邁[ニシベススム]
1939年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学教養学部教授を経て、評論家。「表現者」顧問。著書に『経済倫理学序説』(中央公論新社、吉野作造賞)、『生まじめな戯れ』(筑摩書房、サントリー学芸賞)ほか多数。92年、正論大賞を受賞

波頭亮[ハトウリョウ]
1957年、愛媛県生まれ。東京大学経済学部卒業。マッキンゼーを経て、88年(株)XEEDを設立し独立。幅広い分野における戦略系コンサルティングの第一人者として活躍する一方で、明快で斬新なヴィジョンを提起するソシオエコノミストとしても注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

砂王

2
基礎の大切さに気づかされる。応用の取り組みが過度になりすぎて、意味の秩序を失っている。価値に序列があることを忘れていた。取り戻せると良いんだけれど。2016/05/05

ヨミナガラ

2
(対談1992年)“波頭 〔…〕お父さんに殺されるかもしれないという恐怖や、独房の中での孤独という経験は、西部価値体系世界の根拠として大きな意味をもっているのでしょうか。/西部 〔…〕自分の中では〔…〕あんまり具体性がないんです。そのおかげで僕は、何とか知識人として生き長らえてきたんだと思う。/逆に言うと、経験の具体性に足をすくわれた人間を僕は山ほど知っているわけです。〔…〕抽象化する力がなければ、むしろ経験がマイナスに作用する。そういう意味で、人間というのは、やっぱり抽象力というのがないとダメです。”2014/08/03

遠山太郎

2
1)先2009年対談を読んで次1992年対談を読んだんだけど、まあ波頭さん、経験や行動よりも言葉とを思惟をとりがちだったこと!。まえがきに「言葉は行動に根を張ってこそ力がこめられる」という実感を得て、考え方や行動のとり方が変わったとある。しかし20年の変化や成熟さがすごい。それについて知れることがこの本の第一級の価値でないかと思えるほど。てかデカルティアンは暴言がひどいなw。(以下、波頭さんの発言はHで表す。なければ西部さん。末尾に感想。) <1対談1992年> ○107 伝統とはそれにある種の愛情をもっ2013/07/09

むとうさん

2
確かに、92年の対談を今読んでもある程度「現代の問題」として扱えるのだろうという感じはわかる。そのあたりの構造は、「書籍の編集」として成功していると思う。ただ結局全体に流れるのは「最近の若者は」なんだということ。ある意味「今でも通じる」のではなく「普遍的な問題」をあたかも大発見のように語っていたという解釈もできちゃうと。ついでに、近代経済学批判が盛大に(一部素敵な誤解と共に)行われていたけれど、「日本の漂流」の理由として求めるならアメリカはもっと大変なことになっているはずで…2012/07/14

kinoko-no

1
1992年、2009年の対談。今読んでも両年とも古くささを感じないのは本質を突いていることと、日本がそれだけ前進できていない、あるいはさらに悪化しているから。何とすると悲観的になりがちなのに、2人とも前を向き、すこしでも硬い石に孔を穿とうと行動しているのは、最終的には人の何かを信じているのではないかと感じ、前向きに生きる力となる。2011/08/09

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