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ちくま文庫
山県有朋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426666
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0123

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

長州の奇兵隊を出発点に伊藤博文とともに、「偉大なる明治」の基盤を確立した山県有朋。彼は、統帥権の独立、帷幄上奏の慣例、軍部大臣現役武官制などで軍の政治的地位を高め、その武力を背景に短期間で大日本帝国を築き上げた。しかし、その仕組みゆえに、軍の独走を許し、大日本帝国は滅んだ…。「幕末史」と「昭和史」をつなぐ怪物の人生を、見事に描き切る。

目次

序章 萩の町にて
第1章 奇兵隊の軍監
第2章 越の山風
第3章 陸軍の建設者
第4章 天皇の軍隊
第5章 軍事国家への道
第6章 二つの戦争
第7章 「勤王に死す」
終章 護国寺にて

著者等紹介

半藤一利[ハンドウカズトシ]
1930年、東京生まれ。53年、東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを経て現在、作家。『漱石先生ぞな、もし』(新田次郎文学賞受賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞受賞)、『昭和史』(毎日出版文化特別賞受賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tomoichi

15
1990年に出版された作品の再刊。明治日本の軍事・治安面でその骨格を作り上げた元勲であるにも関わらず人気のない山県有朋の生涯を描く評伝。彼の現代から見ればマイナス面も新国家を作るには必要であった実務家。天下と獲った石田三成なのかもしれない。彼に対して批判的な感情を抑えつつ公平に書いているのは評価できる。著者の最近の作品よりも文章がいい。山県有朋は再評価されるべきだが、彼ではなく伊藤博文が長生きしていれば歴史は変わったかも。2016/07/21

Galilei

7
最下層の人間が、陰謀、野合、賄賂、諜報を繰り広げて頂点に立ち、政敵や同胞を陥れて軍事国家をつくり、天皇を現人神に祭り上げた張本人である。陸軍の汚職(山城屋事件)を救ってくれた西郷に対して、西南戦争の司令官になって、その首を取ることに執念を燃やした。翌年には大久保利通が紀尾井町で暗殺。後年には伊藤博文が朝鮮で暗殺。大久保、伊藤とも軍事国家には反対だったので、想像の範囲だが、暗殺は山県の陰謀とさえ思わせるほど、人望のかけらすらなかった。第二次大戦に突入させた軍国主義の陰の主犯こそ、山県だったといえよう。

Tak

5
ずっと前に購入して積読本として残っていました。 薩長嫌いの半藤先生の書いた大日本帝国を作り大日本帝国を壊した怪物の評伝です。 中身は中立的に書いてあり読みやすかったのですがあとがきには書くのが嫌だったとの事 評価は低く人間味が無いと言われる山縣有朋ですがこのような人でなければ明治は作れなかったのかもとは読んだ後思います。2019/01/19

Hiroshi

5
「大日本帝国は山県が亡ぼした」と著者に言わせる、長州藩の足軽中間の身分から元勲になった山県有朋。松下村塾に最後の2ヶ月学んだことから騎兵隊の軍監となり、戊辰戦争で大村益次郎に見いだされる。大村亡き後西郷隆盛を巧く活用して御親兵を作り、更に近代陸軍を作り、陸軍の第一人者に。大久保・木戸・西郷の三傑亡き後、伊藤博文は帝国憲法、山県は軍人勅諭・教育勅語をにより天皇制国家を作り上げた。伊藤と違い立憲主義を嫌う山県は、統帥権・帷幄上奏権・軍部大臣現役制を作り上げ、第二次西園寺内閣を倒し、昭和の軍部台頭の道を作った。2015/08/25

シロビ

4
陸軍を建設し、それを軸として大日本帝国を仕組みからつくりあげていく。やったことの善し悪しはともかく、凄いなぁ。力技ではあるが、崩れない仕組みを完成させるのだから。松下村塾に入門してから死ぬまで、理想の日本を追い続ける執念も凄い。面白い人物です。私は嫌いじゃない(笑)2015/09/05

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