ちくま文庫
告白的女性論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426482
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「神秘的で現実的な存在」の謎に30の視点から迫った女性論の古典。
征服と服従か、利害の調整か、それとも壮大な誤解と幻想への逃走か。理性の限界を超える存在を解き明かす女性論の古典。

【著者紹介】
1907-73年。神奈川県生まれ。26年、慶応大学に進学し、仏文科に進んだ後、国文科に転科する。在学中はフランス・モラリストに親しむ一方で、「心理小説」の作家に熱中する。38年、亡妻との生活を描いた「妻」を発表し、作家となる。翌年、雑誌「スタイル」の編集者で、作家でもあった宇野千代と結婚したが、64年に離婚する。主な作品として「桜ホテル」「マタイ伝」「魔に憑かれて」「雅歌」「空隙」「霧雨」「情人」「黄昏」などのほか、『文学論集』(正・続)も発表し、評論家・エッセイストとしても活躍した。没後に『北原武夫文学全集』(全5巻)が刊行された。

内容説明

征服か服従か、利害の調整か、それとも誤解と幻想への逃走か。男にとって女性は無限に変化して留まることのない現象である。フランス・モラリストに親しんだ著者が、「恋愛中の女性のつく嘘は何を意味しているか」「男性と女性の未練がましさは何処が違うのか」「悪女のもつ魅惑力の源泉は何処にあるのか」など三十の視点から、諧謔に富んだ筆致で女性の深奥に迫る。

目次

女性論そのものの持っている矛盾について
ランデ・ヴウの時女性は何を望んでいるのか
男性のお世辞を女性は何故容易に信じないか
男性と女性は性のドラマの性格が根本的に違う
女性は男性に比して何故淋しがりやではないのか
永遠の男性という理念が何故女性にはないか
女性が本能的にもっている奇怪な思わせ振り
いわゆる女らしさに男性は何故郷愁を感じるのか
本質的な意味では女性は決して好色ではない
性の最終場面で負わされる男性の負け犬心理〔ほか〕

著者等紹介

北原武夫[キタハラタケオ]
1907‐73年。神奈川県生まれ。26年、慶応大学に進学し、仏文科に進んだ後、国文科に転科する。在学中はフランス・モラリストに親しむ一方で、「心理小説」の作家に熱中する。38年、亡妻との生活を描いた「妻」を発表し、作家となる。翌年、雑誌「スタイル」の編集者で、作家でもあった宇野千代と結婚したが、64年に離婚する。評論家・エッセイストとしても活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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M

104
宇野千代が42歳のときに一目惚れした10歳下の男こそ、この本の著者北原武夫である。のちに結婚し、千代の結婚期間最長の男性。大概、女性論なぞ書く男に碌なのはいないのに、これは例外。むしろ目眩。女性性が内包するきわどい性的事情について大真面目に論じ尽くす。聖母的な女性より本能的に悪女に惹かれる男性性の謎なども。著者自身の経た恋愛体験を例に持論を進めるシーンでも、恥を晒す談などと悉く謙遜するが、その行間に著者の色気が漂うように感じるのは単に私の嗜好なのだろうか。男がロマンチストで女がリアリストなのも仕方ない。2016/12/04

かーむ

0
図書館。あまり深く考えずに読んだので面白く興味深かった。これを深く考えようと思ったら私には大変だろうなぁ。面白かった。2014/06/18

sasuke

0
宇野千代の10歳年下の夫であったダンディな北原武夫の書いた女性論。絶版になったと思ったら、ちくま文庫から2009年に再出版されていた。今より男女の関係がはるかに真摯・濃厚な時代背景があるにしろ、女性の本質を洞察する力は作家ならではか。23章「ふしだらな女性のうちに潜んでいるあるもの」は読む価値あり。2011/12/31

yurari

0
昔、女性の身体ってすごいよねぇと鼻息荒く熱く語っていたかつてのボスを思い出した(当時ははぁそうですか、てな感じで軽く受け流していたが、もしかするとこの本を読んでいたのかも)男性が若年の時に抱く性欲は欲望より飢餓の状態に近い、女性を誘惑したものの行為が終わると捕獲されたという感じになる(勝手だ!)、ヒステリー女から逃げ出したいと思っていたのに愛情深そうな一面を見るとコロリと騙される、など、へぇと思うエピソードがあったが、おじさんが飲みながら女性談議をしている感が拭えず、期待していた深い洞察は得られなかった。2021/11/05

ヒヨ

0
何かの本を読んだときに行き当たった本がこの本だった。説明が回りくどいと言うか細やかと言うか、そのために読むのに結構時間がかかってしまったが、一介の男性読者としては大変勉強になり、読んでよかったなと思える本だった。明らかに性差別と思える表現もあったが、時代が違うからなと勝手な理解をして読んだ。一番印象深かったのは、性の構造における男性の劣弱さの箇所であった。何か女性について考えるとき、まず前提として、自分の想像以上の複雑さと深みを持っている存在だということを意識しなければいけないと感じた。2020/12/01

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