ちくま文庫
太宰治集 哀蚊―文豪怪談傑作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426321
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

「私は怪談を作ることを愛する」―太宰文学の原点には幼き日、祖母に語り聞かされた怪談話があった!最初期の「怪談」「哀蚊」から、和漢の古典に想を得た怪奇幻想譚「魚服記」「竹青」「人魚の海」、彼岸の気配が揺曳する「メリイクリスマス」「トカトントン」、その末期を予見するかのような水界への怖れと憧憬に満ちた作品群など、怪談を切り口に、永遠の人気作家の知られざる一面に迫る。

著者等紹介

太宰治[ダザイオサム]
1909‐1948。青森県北津軽郡金木村生まれ。本名、津島修治。学生時代から左翼の非合法運動に関係し、やがて離脱。その罪悪意識は、後の作風にも影響を残した。36年発表の「晩年」等で文壇に認められ、戦時中は日本浪曼派に属して多くの作品を発表。戦後の代表作「斜陽」は青年層の絶大な支持を集めた。玉川上水で入水自殺を遂げる

東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元「幻想文学」編集長、現「幽」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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KAZOO

46
お伽草紙からとられているのが2作品はいっています。私は結構好きで何度かよんでいます。これらをはじめとして怪談というよりは幻想的あるいは珍しい話のようなものが多いと思いました。ただ太宰の文章は非常に改行が少ない感じで読むのに大変だと思いました。とくに「皮膚と心」などは、話も結構私には面白く思われたのですがやたら文章がずらずら続くので、普通の人が読むと君が悪くなってきて途中でやめる人が多いのでは。2015/03/17

かおりんご

30
太宰なのに、太宰の書くホラーテイストの作品に特化した本。面白い!こんな太宰のまとめ方もいい!実話ではなく創作だし、幽霊が出てくるわけでもないけれど、不思議な話がいい。太宰と幽霊や怪異について、語りたかったなあ。2022/11/15

藤月はな(灯れ松明の火)

28
太宰治の自虐的な弁解多しで思わず、「もっと自信、持てよ」と背中を叩きたくなる語りと擬音が独特で癖になりそうです。少女の優しさが肝心の相手を慮っていなくて空回りする悲哀を描いた「葉桜と魔笛」と寝物語を聞いていたら異界に紛れ込んでいたような不安を覚える「尼」が印象的です。特に「トカトントン」の無心になれたと思ったら聞こえる日常味のある幻聴で退屈な日常に引き戻される一種の虚無感の描写は生々しくも可笑しくて逸品です。2013/03/20

なつー

13
『待つ』目的で。怪談と題にあるけど典型的なものではなく、奇妙な出来事という感じ。中国古典を太宰さんなりに訳した『清貧譚』『竹青』は巻末に別訳もあって比較できて面白かった。太宰訳の方が人間臭さあって好き。『トカトントン』もいつか読みたかった短編なのであって嬉しかった。全体を通して女性への偏屈な視点が面白かった。2017/06/22

雨ノ森

4
太宰治の作品はそこまで読み込んでいるというワケではないのですけど、彼の文章を読んでいるとどこか「自分」が分裂するような、妙な感覚に陥ります。この傑作選では特にその傾向を強く感じたような。気のせいかしら2014/02/12

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