内容説明
戦後日本を大きく揺さぶったロッキード事件と田中元首相の逮捕は、保守政治の歯車を大きく狂わせた。権力への執念を燃やし、政界に君臨し続けようとする田中角栄。次の総理の座を狙い、野心と嫉妬の狭間であえぎ苦しむ政治家たち。やがてそれは自民党を二分して、「四十日抗争」を引き起こす火種となる。
目次
第2部 権力と相克(予備選前夜と秋の政局;この逆転はだれの働きか;つまずいた組閣;大平内閣との奇妙な距離;解散から内紛の道へ ほか)
第3部 支配と堕落(霊前の会談;だれが組閣名簿をつくったか;組閣にひそむ権力者の意図;鈴木内閣始動;行財政改革に政治生命を賭ける ほか)
著者等紹介
伊藤昌哉[イトウマサヤ]
1917‐2002。満洲(現・中国東北部)生まれ。東京帝国大学法学部卒業と同時に入営、経理部将校として従軍。終戦後は西日本新聞社記者となるが、55年、池田勇人に誘われて秘書となり、首相就任後は首席秘書官として彼を支える。池田の死後、いったんは政界から離れるものの、大平正芳から請われ、側近として大平政権の成立に尽力する。80年代からは政治評論家として執筆活動やテレビ出演などを通じて活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ランラン
9
自民党総裁選挙が行われているだけに関心がより持てた。過去の権力争い、駆け引きは想像を絶するものがある。誰を信頼しいて誰が敵なのか交差していて渦中にいるとわからなくなるのかもしれない。勝者は中曽根さんだったのか?2024/09/26
wuhujiang
2
福田との予備選勝利、四十日抗争での勝利……たしかに大平は勝てたのだが、"非バッチ"組の著者はどんどん風当たりが強くなるうえ、大平との距離も近くなったり、遠くなったり。物語ではないので、勝利したら何もかもうまくいくものではない。本編中に大平は急死するわけだが、著者は実感がまるでないうちに"次"のことに考えを巡らせてしまう。政治の世界はおそろしい。本書は田中派が自民党内を支配した段階で終わる。YKK秘録で盛んに経世会(旧田中派)打倒の文言が出てくる前史がこれなのだな、と感じた。2025/10/08
スズキパル
1
ちくま文庫版の下巻は、大平政権誕生から大平の急死までを描いた「戦国史」後半部分と、大平の死後に刊行された「新・自民党戦国史」との合本。福田政権時代に大福連携論者として大平を支えた著者は、壮絶な総裁予備戦により派内の反福田感情が高まるにつれ、福田との距離の近さから派閥の中枢に疎んじられてゆくのだが、特に大平の家族から冷たい目線を受けている描写がなんとも悲しい。「新・自民党戦国史」に相当する第3部部分は、政治家とのナマのやりとりが少なく、やや退屈な内容であった。2025/08/17
tiki
1
この本がおもしろくないというところに、当時の自民党内の権力争いの特性の一端(国民が持つ理想の政治家像と現実の政治家との乖離)が表れているのかもしれない。2010/07/25
bookcustomer
0
都議会で大物と言われる自民都連の中卒の内田がメディアに取り上げられて、表舞台に立ったら引退だそうで、地中にいるもぐらが地上に出たら死にますが、シンジケートの組織のひとがメディアに取り上げられて目立ったら干されるそうで、北海道出身の中川一郎が結党した青嵐会に石原慎太郎も参加したそうで、その党への献金が文を一行書いて、それで得たお金を献金してたそうで、また市民が出すゴミ収集も自治体の仕事になりますが、一般にゴミ収集が汚い、臭い仕事ですが、江戸時代にもあった賤業の仕事と思いますが、公明の藤井がそのコネを生かして




