内容説明
05年の「郵政民営化」を焦点とした、熱病に浮かされたような衆議院議員選挙から3年が経ち、ようやく小泉改革の真相が明らかになりつつある。それはアメリカをビジネス・モデルとして、「官から民へ」の掛け声のもとに日本中が右往左往した5年間だった。原著刊行から「大恐慌前夜」までの3年間を検証した書き下ろし100枚を加え、「民営化」という「観念の罠」の真相を浮き彫りにする。
目次
第1章 イデオロギーと化した「民営化」
第2章 「道路公団民営化」とは何だったのか
第3章 諸外国の「民営化の実態」に何を学ぶか
第4章 日本を蝕む単純な「市場万能主義」
第5章 強引な「郵政民営化」がもたらす悲劇
第6章 小泉政権の「民営化」とは何だったのか
著者等紹介
東谷暁[ヒガシタニサトシ]
1953年生まれ。早稲田大学政経学部卒業。いくつかの雑誌編集部で編集に携わるが、97年よりフリーのジャーナリストとなり、経済・政治の分野を中心に著作活動に専念する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浅香山三郎
15
郵政選挙から10年以上経ち、また、民営化からも何年か経つてみて、やはり郵政民営化は良いことが大してなかつたなあと思ふことが多い。著者は、小泉内閣が郵政民営化一本槍で世論を攪乱した最中から、民営化必要論の理屈を検証して、まず前提が成り立たないことを明らかにしてをり、更に諸外国の郵便局改革の明と暗を示して、民営化の流れの中で、冷静な吟味を江湖に問ふ。過激な民営化の揺り戻しが進んだ国々もあり、結局、どのように公共性のある郵便局のサービスを設定して行くのかが、よくよく考へられるべきなのだらう、と感じられた。2018/10/11
さきん
15
05年の「郵政民営化」を焦点とした、熱病に浮かされたような衆議院議員選挙から3年が経ち、ようやく小泉改革の真相が明らかになりつつある。それはアメリカをビジネス・モデルとして、「官から民へ」の掛け声のもとに日本中が右往左往した5年間だった。原著刊行から「大恐慌前夜」までの3年間を検証した書き下ろし100枚を加え、「民営化」という「観念の罠」の真相を浮き彫りにする。2016/02/18
す○○
3
大学生時代(昭和60年前後)これから到来する国際化の世で競争力を維持するため行政改革・規制緩和は必要と言われていた。今思うと外圧のスケープゴートだったと思う。本作は外圧を背景に小泉政権で展開された民営化の実態を暴いているが、作者の主張を支持する。ただ濃淡はあれ公共サービスの民営化志向は歴代政権に共通している。政治家マスコミとも「規制緩和」「改革」を唱え支持を得ようとしているがその実現性と影響を慎重に吟味するのは我々の役目。公共機関は商業ベースに乗らないからその存在意義があるという基本を重視したい。 2013/01/19
Mitz
3
05年の郵政民営化に焦点を当て、「民営化」という観念の罠の真相を浮き彫りにしている。豊富なデータや諸外国の例の提示による説得力もさることながら、日本中が「民営化」の熱に支配されていた時期の著書というところに意義がある。知識不足ゆえ、「民営化」について正しく理解できたとは言えないが、大衆の熱狂がいかに事実をねじ曲げるか、またマスコミによる単純化・全体化がいかに危険かということは理解した。2011/10/09
yk_tani
0
イデオロギーである民営化による害悪について。官→民など「小泉劇場」を暴く。2009/08/22
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