ちくま文庫
カフカ・セレクション〈2〉運動・拘束

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 315p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480424525
  • NDC分類 943
  • Cコード C0197

内容説明

現代文学に決定的な衝撃を与え、今なお「来るべき作家」であり続けるカフカの中短篇のほぼすべてをテーマ別に三冊に編み、最良の訳者の新訳でおくるベストセレクション。

著者等紹介

カフカ,フランツ[カフカ,フランツ][Kafka,Franz]
1883年、当時、オーストリア=ハンガリー帝国領のプラハに生まれる。ユダヤ系のドイツ語作家。法学を専攻し、1908年プラハの労働者災害保険協会に就職。1924年、死去

平野嘉彦[ヒラノヨシヒコ]
1944年生まれ。東京大学名誉教授(ドイツ文学)

柴田翔[シバタショウ]
1935年生まれ。東京大学名誉教授(ドイツ文学)・作家。1964年に『されどわれらが日々―』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

71
運動と拘束の縛られたような世界でありながらも、そこに夢を見てしまうのは何故でしょうか。カフカという作家の行き詰った感覚には引き込まれてしまうものがあります。2018/05/23

壱萬弐仟縁

10
カフカは評者の年齢で亡くなったようだ。「ある断食芸人の話」で、彼は「私が自分の口に合う食い物を見つけられなかった」(123頁)。日本人もまた、放射能汚染された食べ物を食べることになるのなら、断食する以外ないのだろうか。放射能を外からも中からも包摂させられるのなら、放射能断食はいつ実現するのか。収束は嘘だ。「巣造り」で、「信頼できるのはただ、自分自身と巣穴のみだ」(240頁)。ひきこもりの人たちを代弁しているかのようだ。NEET、SNEP問題をなんとかしたければ、本著を為政者は読むべきではないかと思えるが。2013/03/10

koke

9
〈判決〉丘沢静也訳で既読でした。やや質感が異なった印象ですがやはり面白いです。やはり展開のメリハリが効いている分読みやすいのかもしれません。〈巣作り〉中年の寓話として読めば良いのでしょうか。右往左往、堂々巡りを続けるばかりの文章をこれほど読ませるのはカフカ独特の魅力と思います。〈ある断食芸人の話〉は、〈変身〉と似通ったモチーフ、テーマを感じます。最後の描写は〈変身〉とも〈判決〉とも重なり、面白かったです。〈流刑地にて〉かなり嫌悪感を感じさせる内容。囚人の嘔吐とそれに対しての士官の反応が気持ち悪いです。2024/01/15

seer78

5
再読。「狩人グラフス」の味わい。港の情景の簡潔な描写と、インタヴューでの冗舌さとのちぐはぐさがよかった。「流刑地にて」は何度読んでも不愉快さが減退しない傑作。文字の読み書きがどんなに残酷な制度であるのか、紙であれ、ツルツルしたネットの書き込みであれ、表面を傷つけて汚し血を流すことへと馴らされる過程で、ひとは何を得て何を失うのか、(そしてそのことを忘れるか)活字や電子媒体からは一見消えている引っ掻くときの反作用のようなものを感じさせるこの力をカフカはどこから得ていたのか。「巣作り」は、最後まで読めなかった。2015/06/05

ぴこ

5
「巣作り」が思わぬ収穫で、モグラが穴の中で理性的な推論を積み重ねているのを想像してニヤっとした。人間性とは何だろうか。2014/10/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/492989
  • ご注意事項