内容説明
名だたる名文家が次々と名乗りを挙げ、叱ったり諭したり自慢したり(?)して文章をご指南くださる「文章読本」。そんなありがたい指南書が100年に亘り延々書き続けられたのはなぜか。大御所たちの思惑、「文章読本界」の抗争、そして国語・作文教育の変遷にまで切り込み、「文章読本」をめぐる悲喜劇を見事に描き出す。文庫化にあたりネット時代の文章読本について新規書き下ろし。小林秀雄賞受賞作。
目次
1 サムライの帝国(書く人の論理―文章読本というジャンル;静かな抗争―定番の文章読本を読む)
2 文章作法の陰謀(正論の迷宮―文章読本の内容;階層を生む装置―文章読本の形式;修行の現場―文章読本の読者)
3 作文教育の暴走(形式主義の時代―明治の作文教育;個性化への道―戦前の綴り方教育;豊かさの中で―戦後の作文教育)
4 下々の逆襲(スタイルの変容―文章読本の沿革;様々なる衣装―文章読本の行方)
著者等紹介
斎藤美奈子[サイトウミナコ]
1956年新潟生まれ。児童書等の編集者を経て94年『妊娠小説』でデビュー。以後、雑誌新聞等で文芸評論家として活躍。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で第1回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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