内容説明
李白、杜甫、白居易、王維…あまたある漢詩から百篇を厳選し、その時代背景や状況心情にしたがって「旅情」「戦乱」「別離」「望郷」「情愛」に分け、それぞれの人生の哀歓が伝わる名訳と解説で贈る最良の漢詩入門書。
目次
第1章 旅情(江南旅情(祖詠)
秋風引(秋風引) ほか)
第2章 望郷(古歌;古詩)
第3章 戦乱(戦城南(樂府古辭)
戦城南(李白) ほか)
第4章 別離(燕歌行(曹丕)
七哀の詩(曹植) ほか)
第5章 情愛(子衿(詩経)
鶏鳴(詩経) ほか)
著者等紹介
駒田信二[コマダシンジ]
1914‐1994年。三重県生まれ。作家、文芸評論家、中国文学者。長年、早稲田大学客員教授を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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神太郎
27
ちくま文庫のこれ系の本は好きですね。漢詩ってなじみがないけども、そういう人向けにどういう人でどういう時期に書かれたかと言うのを丁寧に解説し、書き下しと訳を載せてくれてるので非常に読みやすかった!遣唐使の人達とも友好的な雰囲気だったんだなぁというのが感じられる詩もありとても身近に感じることができた!2025/03/30
真
0
電車の中で毎日少しずつ、書き下し文と白文を見比べながら。語釈や作者の解説も丁寧で分かりやすかった。2016/12/09
AR読書記録
0
白文はムムム,書き下し文でもまだちょっと,という状態ではありますが,それでも雰囲気なり場面なりがぶわっと自分の目の前に広がるように感じたとき,やっぱりうちらも漢字文化圏の末流にいるのだな,と実感します.「烟は寒水を籠め月は沙を籠む」「白楊悲風多く蕭蕭として人を愁殺す」「願わくは西南の風と為り 長逝して君が懐に入らん」... うーん,あとでいろいろ心に残ったフレーズを書き留めておこう.2012/10/19
紫暗
0
「水滸伝」などの翻訳で有名な著者の漢詩解説書です。個人的に好きなのは白楽天で、お目当ても白楽天の詩だったのですが、その他の作品も良いものばかりで一冊通して楽しめました。曹操、曹丕、曹植といった三国志で有名な人物達の詩も収録されているので、三国志ファンも楽しめるかと思います。曹操の詩で有名な「短歌行」に読み込まれている詩経の「子衿」が収録されていて、たまたま「短歌行」を読んだ直後だったのでいっそう興味深く読むことができました。2012/09/29