感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鵜殿篤
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教育に内在的な独自の価値や働きがあるということは、実は現在でも一般的に認められていなくて。一般的には、教育は「何かのため」に行うべきと考えられていて、「それそのもののため」に行うべきものとは認識されていない。具体的には、産業のためとか、国家のためとか。すると、学校で教師が「教えるべきもの」は、教育内在的に生じてくるものではなく、政治や経済や産業の原理から外在的に押しつけられるものになる。その外側からの力が「教育に内在的なあり方」を歪めていく。その外在的な力に対する林の告発は、鋭く、激越だ。2017/10/07