内容説明
『歎異抄』は親鸞の死後、直弟子である唯円が、耳の底にとどまり響いていた親鸞の言葉を記した語録である。全体を貫いているのは、「異なることを歎く」精神である。本書では特に、真宗の精髄である「本願による救い」「念仏とは何か」「悪人の成仏」を読み解き、親鸞の仏道に迫るとともに、現代を生きる私たちが、『歎異抄』の心にいかに救われるかを考える。
目次
序章 『歎異抄』再発見(蓮如の『歎異抄』発見;清沢満之の『歎異抄』再発見)
第1章 歎異の精神とは何か(竊かに愚案をめぐらして;歎異の精神 ほか)
第2章 師教との出遇い(往生極楽のみち;いずれの行もおよびがたき身 ほか)
第3章 悪人正機(善人悪人;他力をたのみたてまつる悪人 ほか)
第4章 本願の救い(弥陀の誓願不思議;二つの御持言 ほか)