内容説明
60年安保後の思想的混迷の中で、状況に敏感に反応しつつも、日常を生き続け、新しい素材と手法を模索した、現代歌人の21歌集。
目次
紡錐(山中智恵子)
一去集(清水房雄)
南麓(大岡博)
花火の星(島田修二)
この梅生ずべし(安立スハル)
流氷の季(清原日出夫)
捜神(前川佐美雄)
呼べば谺(木俣修)
子午線の繭(前登志夫)
麦の花(板宮清治)
入野(柴生田稔)
断腸歌集(滝沢亘)
雉(上田三四ニ)
冬の家族(岡野弘彦)
我妻泰歌集(我妻泰)
羊雲離散(小野茂樹)
飛泉(山田あき)
黒豹(近藤芳美)
バリケード・一九六六年二月(福島泰樹)
架橋(浜田到)
群黎(佐佐木幸綱)
著者等紹介
山田あき[ヤマダアキ]
明治33年1月1日、新潟県東頚城郡浦川原村字菱田に生れる。旧姓村松、本名坪野つい。大正4年、県立高田高女卒業。昭和4年、渡辺順三、坪野哲久らのプロレタリア歌人同盟に参加。6年、坪野哲久と結婚。7年、渡辺順三、哲久らの「短歌評論」に参加する。11年、哲久、大井良らと「鍛冶」を創刊する。21年、「人民短歌」に参加、また同年に戦時中、休刊していた「鍛冶」を復刊、同時に新歌人集団の運動にも加わる。26年、第一歌集『紺』を刊行。39年、「鍛冶」を改題した「航海者」に参加、さらに53年、「氷河」を哲久ら主要同人とともに創刊する。労働の場からの歌の可能性を重視してきた。戦前から貫かれている思想的立場は確固としたものがあり、戦後女流を代表する一人である。修羅なすまことの世界を佇立させ、独自の艶ある表現を成熟させている。平成8年11月14日歿。九十五歳
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