出版社内容情報
人身供犠は、史実として日本に存在したのか。民俗学草創期に先駆的業績を残した著者の、表題作他13篇を収録した比較神話・伝説論集。解説 山田仁史
高木 敏雄[タカギ トシオ]
著・文・その他
内容説明
八岐大蛇、猿神の邪神退治譚や築堤・築城の際の人柱伝説など、日本には人を神に捧げる人身御供(ひとみごくう)にまつわる話が多く残されている。はたしてこれは史実だったのだろうか。日本民俗学・神話学草創期に柳田國男とともに先駆的業績を残した高木敏雄の比較伝説論集。お婆さんが川で拾ってきた桃をお爺さんと食べ、たちまち若返って美貌と精力が回復し事に及び妊娠、生まれたのが桃太郎であるという異伝の考察。中島敦「山月記」のもとになった唐代の「人狼伝」をはじめ、人が虎や狼に化身する伝説の論考など、表題作他全13編を収録。
目次
第1部 人身御供論(人身御供論;早太郎童話論考)
第2部 人狼伝説の痕跡(魔除の酒;人狼伝説の痕跡;牛の神話伝説 ほか)
第3部 日本童話考(日本童話考;羽衣伝説の研究;浦島伝説の研究 ほか)
著者等紹介
高木敏雄[タカギトシオ]
1876‐1922。熊本県生まれ。1900年東京帝国大学文科大学独逸文学科卒業。第五高等学校教授、東京高等師範学校教授、松山高等学校講師、大阪外国語大学教授を務める。1913年には柳田國男と協力して日本で初めての本格的な民俗学の月刊誌『郷土研究』を創刊した。またこのころ南方熊楠とも濃密な交流が続いた。西欧(とくにドイツ)の学説と方法を移入し、日本神話・伝説研究の分類・体系化を試み、日本民俗学黎明期にこの分野での先駆的業績を残した。この高木によってなされた近代的な“神話研究”は後の多くの研究者に継承されてゆくことになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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