出版社内容情報
二十世紀を代表する画家ベイコンが自身について語った貴重な対談録。制作過程や生い立ちのことなど。『肉への慈悲』の文庫化。解説 保坂健二朗
デイヴィッド・シルヴェスター[シルヴェスター,デイヴィッド]
著・文・その他
小林 等[コバヤシ ヒトシ]
翻訳
内容説明
歪んだ人物の顔、強烈な色彩。混沌を極めたアトリエから生み出されるベイコンの三幅対(トリプティック)は、特異な秩序をもって観る者に訴えかけてくる―「写実主義の崖っぷちを歩いているような絵を描きたいのです」。ベイコンが絵画を通じて表現しようとしたのは、まさに残酷なまでの生々しい現実だった―「芸術作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです」。20世紀を代表する画家フランシス・ベイコンが自身の過去や制作過程について語った貴重な対談集『肉への慈悲』、待望の文庫化。
目次
インタヴュー1(1962年)写実主義の崖っぷちを歩いているような絵を描きたいのです。
インタヴュー2(1966年)私のかねてからの願いは、大勢の人物が登場するにもかかわらず物語を伴わない絵を描きたいということなのです。
インタヴュー3(1971・73年)重要なのは隔たりです。絵が見る者から遠ざけられることです。
インタヴュー4(1974年)不公正は人生の本質だと思います。
インタヴュー5(1975年)自分は今ここにいるけど、存在しているのはほんの一瞬であって、壁にとまっている蠅のようにたちまちはたかれてしまうのだ、という事実をです。
インタヴュー6(1979年)「明日が来ては去り、また明日が来ては去り、そしてまた明日が来る」
インタヴュー7(1979年)偶然によって有機的な絵の土台が形成されると、自分の批評的な側面が活動を始め、その土台をさらに発展させていけるのです。
インタヴュー8(1982年)絵画にはもう自然主義的なリアリズムなどありえないのですから、新たなリアリズムを創造して、古いリアリズムを洗い流し、神経組織に直接伝わるようなものにするべきなのです。
インタヴュー9(1984年)芸術作品が残酷に見えるのは、現実が残酷だからです。
著者等紹介
シルヴェスター,デイヴィッド[シルヴェスター,デイヴィッド] [Sylvester,David]
1924‐2001年。ロンドン生まれ。1950年代以降、欧米各地の美術館の展覧会でキュレーターを務めるなど美術評論家として活躍。アルベルト・ジャコメッティやヘンリー・ムーアなどと交流をもった。フランシス・ベイコンとは一時期を暮らした友人でもある
小林等[コバヤシヒトシ]
1959年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程修了。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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やいっち
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Bo-he-mian