出版社内容情報
非理性的な力を脱する一方、人間疎外も強まった近代社会。その中で人間のコミュニケーションへの信頼を保とうとしたハーバーマスの思想に迫る。
中岡 成文[ナカオカ ナリフミ]
著・文・その他
内容説明
人間には暴力・抑圧に支配されず対話を交わし、相互理解に到達する理性の力が与えられている。宗教や因習など非理性的な力を脱した近代社会において、民主的な原理はようやく一人立ちしたが、同時に支配のシステムは強大に、そこから生じる人間疎外も強固になり、コミュニケーション的理性の可能性は十分には実現できなかった。異なる利害を持った人間が意思を疎通し、行為を調整しあうにはどうしたら良いのか。あくまでも人間のコミュニケーションへの信頼を保とうとするハーバーマス。その全貌をとらえた一冊。
目次
プロローグ コミュニケーション的理性への信頼
第1章 批判的社会理論への旅立ち
第2章 制度と言語―イデオロギー批判への取り組み
第3章 システムと生活世界
第4章 近代合理主義と人間のコミュニケーション
第5章 ポストモダン思想との対決
第6章 多元的社会における法と道徳
エピローグ 政治的実践の中で
終章 対話は世界を変えられるのか―その後のハーバーマス
著者等紹介
中岡成文[ナカオカナリフミ]
1950年生まれ。京都大学大学院文学研究科単位取得退学。大阪大学大学院文学研究科教授を経て、一般社団法人哲学相談おんころ代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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