出版社内容情報
芭蕉や蕪村が好み与謝野晶子が愛した、北村季吟の注釈書『枕草子春曙抄』の本文を採用。江戸、明治と読みつがれてきた名著に流麗な現代語訳を付す。
清少納言[セイショウナゴン]
島内 裕子[シマウチ ユウコ]
内容説明
大人のための、新訳。北村季吟の『枕草子春曙抄』本文に、文学として味わえる流麗な現代語訳を付す。上巻は、第一段「春は、曙」から第一二八段「恥づかしき物」までを収録。全二巻。
目次
春は、曙
頃は、正月
正月一日は
異事なる物
思はむ子を
大進生昌が家に
主上に候ふ御猫は
正月一日
慶び、奏するこそ
今内裏の東をば〔ほか〕
著者等紹介
清少納言[セイショウナゴン]
966?‐1021~28?年。平安時代の歌人、随筆家。本名未詳。清は清原氏の略称、少納言は宮仕え時の称呼。曾祖父清原深養父、父清原元輔は歌人。幼少時より和歌と漢学の教育を受け、その学才が世に知られる。一条天皇の中宮定子に出仕し、定子に促され『枕草子』を執筆
島内裕子[シマウチユウコ]
1953年生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。同大学院修了。博士(文学)。放送大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まりお
38
春は曙、で有名な枕草子。あれが好き、これは良いと周りにある物を褒めちぎる段落と、宮廷での出来事を書いた段落。興味があるのは宮廷の方。ヒロイン定子様との関り合いから宮廷での行事、日常など。歴史好きとしては当時の生活を当時の目線で知れるのが嬉しい。2020/02/24
あまね
26
『光る君へ』の清少納言@ファーストサマーウイカちゃんがとっても魅力的なので手に取ってみましたが、大正解‼️清少納言先輩、めちゃめちゃ面白いです。数ある『枕草子』の中で現代訳を吟味したのも大正解‼️島内裕子さんの訳は、とても読みやすく素晴らしいです。そして、後に続く島内先生の〈評〉が訳に深みを与えてくれます。清少納言が情緒に溢れ、ユーモアに溢れ、中宮『定子』との関係がまたステキで…。本全体が雅やかな世界で楽しめました。やっぱり古典って凄いのだなと改めて実感しています。2024/04/01
tsu55
19
『枕草子春曙抄』を底本としているので、 現在一般的に読まれている三巻本とは異なっている部分が多い(思っていたより多い印象)。 「覚束なきもの」の中に「暗きに、苺、食ひたる」とあるのが気になって仕方がない。面白い感性だと思う。清少納言って、家族が寝静まったあとにこっそり冷蔵庫を開けてなにやら食べているタイプなんだろうか。2024/06/26
本のロマンス
12
清少納言のこれは「よし」or「ダメ」との明確な姿勢に一種の痛快さを感じました。 気高く優美な中宮定子さまの、お姿やお言葉、そして清少納言との相互の暖かい思慕の情が、とても素晴しく感動的でした。また特に第109段、中宮定子さまと中関白家(道隆、貴子、伊周、隆家、原子・・)お揃いの団らんの場面は、百花爛漫に和顔愛語が満つるがごとく、この世の極楽を想わせるほど、麗しく晴れやかでありました。まさに「いみじう、いと、めでたし」の極致を感じました。この素晴しい平安浄土よ、永遠なれ! 2024/07/23
咖哩麺。
7
余ったお金を堅実に使える手段として日本の古典に注目する。古典はまた教育基盤の整備にも繋がり得るものであった。2022/11/12