出版社内容情報
モスクの変容――そこには宗教、政治、経済、美術、人々の生活をはじめ、イスラム世界の全歴史が刻み込まれている。その軌跡を色鮮やかに描き出す。
羽田 正[ハネダ マサシ]
内容説明
イスラム世界においてモスクとはどういう存在なのか?それは単なる「祈りの場」ではない。人々の社交の中心であり、教育施設、宿泊所、そして政治活動の舞台など、多様な役割を担ってきた。こうして人々の生活のなかに深く根づいてきたモスクには、イスラム世界の精神性のあらゆる歴史が刻み込まれている。その建築史的変遷、社会における機能の変化をたどれば、ときには政治史の常識が覆るような発見に出会うこともある。140点の図版とともに、壮麗なモスク建築の見方を説き、イスラム世界の深層を浮き彫りにする。
目次
1 モスク入門(モスクの語源と種類;モスクの構成要素 ほか)
2 最初期のモスク―七世紀(『コーラン』の中のモスク;最初のモスク―預言者の住居 ほか)
3 古典型モスクの時代―八~十世紀(預言者のモスク;ウマイヤ・モスク ほか)
4 多様性の時代―十一~十四世紀(ファーティマ朝のモスク;モスクと「墓付きマドラサ」 ほか)
5 光輝の時代―十五~十七世紀(スレイマン・モスクとオスマン朝モスク;ティームール朝とモスク ほか)
補章―二二年後(イスラーム世界再考;東南アジアと中国のモスク ほか)
著者等紹介
羽田正[ハネダマサシ]
1953年生まれ。歴史学者。東京大学東洋文化研究所所長などを経て、同研究所教授、東京大学理事・副学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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