ちくま学芸文庫
増補 モスクが語るイスラム史―建築と政治権力 (増補)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480097385
  • NDC分類 522.6
  • Cコード C0122

出版社内容情報

モスクの変容――そこには宗教、政治、経済、美術、人々の生活をはじめ、イスラム世界の全歴史が刻み込まれている。その軌跡を色鮮やかに描き出す。

羽田 正[ハネダ マサシ]

内容説明

イスラム世界においてモスクとはどういう存在なのか?それは単なる「祈りの場」ではない。人々の社交の中心であり、教育施設、宿泊所、そして政治活動の舞台など、多様な役割を担ってきた。こうして人々の生活のなかに深く根づいてきたモスクには、イスラム世界の精神性のあらゆる歴史が刻み込まれている。その建築史的変遷、社会における機能の変化をたどれば、ときには政治史の常識が覆るような発見に出会うこともある。140点の図版とともに、壮麗なモスク建築の見方を説き、イスラム世界の深層を浮き彫りにする。

目次

1 モスク入門(モスクの語源と種類;モスクの構成要素 ほか)
2 最初期のモスク―七世紀(『コーラン』の中のモスク;最初のモスク―預言者の住居 ほか)
3 古典型モスクの時代―八~十世紀(預言者のモスク;ウマイヤ・モスク ほか)
4 多様性の時代―十一~十四世紀(ファーティマ朝のモスク;モスクと「墓付きマドラサ」 ほか)
5 光輝の時代―十五~十七世紀(スレイマン・モスクとオスマン朝モスク;ティームール朝とモスク ほか)
補章―二二年後(イスラーム世界再考;東南アジアと中国のモスク ほか)

著者等紹介

羽田正[ハネダマサシ]
1953年生まれ。歴史学者。東京大学東洋文化研究所所長などを経て、同研究所教授、東京大学理事・副学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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syaori

57
モスクの建築様式や社会における機能の変化からイスラム史を繙く本。正統カリフやウマイヤ朝、アッバース朝の時代にはその首都が全イスラムへの求心力を持ち、首都と同じ建築形式のモスクが各地で建てられていたけれど、政治的な中心が複数化すると、そこを中心に各地で多様なモスクが建てられるようになるというように、「政治と宗教が分かちがたく結びついた」イスラム教圏ではモスクの様式や機能が政治的、宗教的変化を敏感に反映することがよく分かり、壮麗なモスクの変遷を追いながら新たな視点でイスラム史を見直せるありがたい一冊でした。2020/12/18

春風

5
モスクの建築中心にイスラーム世界の歴史をまとめていて、とてもわかりやすい。墓場で礼拝しちゃダメだよ、とコーランに書かれているので、本来モスクには墓はないはずなのだけど、後世になると権力者がいろいろ言い訳つけて自分の霊廟を作っちゃったりとか。22年後に書かれた補章が真摯で頭が下がる。2017/08/03

MUNEKAZ

5
もとは中公新書から出ていたものに東南アジア・中国等の「現代型」モスクについて述べた補章を付け加えた一冊。祈りの場として簡素な作りであったモスクが、王朝の威信や異教徒への影響も考えて次第に壮麗なものへと変わっていく前近代までの様子が描かれている。またイスラーム国家の乱立に伴って、地域ごとにモスクの差異が広がっていくのは、政教一致のイスラーム国家らしいし、著者も述べているが一括りに「イスラーム世界」と呼ばれる地域の多様性を表しているようで興味深い。2016/12/18

tsubomi

4
2025.05.14-06.17:モスクにあるミフラーブ(メッカの方角にある壁のへこみ)、ミンバル(説教壇)、ミナレット(塔)という一般によく知られた施設やその他の建造物の地域や時代によって異なる特性について。予言者の住居として建てられたモスクが、8-10世紀に古典型モスク時代に、11-14世紀に多様性の時代に。そして墓付きマドラサ(宗教学校)がメインになり、イーワーン(ファサードにつけるアーチ)が付属するようになり、15世紀以降は大型化、という建造物に特化した本で図や写真付きで分かりやすく興味深いです。2025/06/17

ドウ

4
中公新書版を既に読んでいたので補章のみを読んだ。新書版では触れられていなかった近現代のモスクの在り方に関して、ムスリムがマイノリティの国家であっても、モスクと国家の間には浅からぬ関係があるとの指摘が興味深い。イスラーム世界論や世界史論についての筆者の問題意識が単刀直入に語られているところも面白かった。2018/08/22

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