出版社内容情報
複素数が織りなす、調和に満ちた美しい数の世界とは。微積分に関する基本事項から楕円関数の話題までがコンパクトに詰まった、定評ある入門書。
笠原 乾吉[カサハラ ケンキチ]
内容説明
「複素解析」は、複素数を変数にもつ関数の振る舞いについて考える数学の一分野である。その出発点となるのが“オイラーの公式”eiθ=cosθ+isinθで、実数の世界では見ることのできない美しい規則性が、複素数の世界で次々と展開される。本書は関数の正則性、コーシーの積分公式、留数定理など微分積分に関する基本的な事柄から、ピカールの大定理、楕円関数、そしてモジュラー関数の話題まで、1変数複素関数のポイントをやさしく解説。複素関数がもつ“解析性”という著しい性質を見据え、その本質に迫る入門書。
目次
第1章 正則関数とは何か
第2章 正則関数の性質
第3章 孤立特異点
第4章 多価関数とリーマン面(1次元複素多様体)
第5章 正則関数・有理形関数は存在するか
第6章 1次変換
第7章 ポアンカレ計量
第8章 楕円関数・モジュラー関数
付録
著者等紹介
笠原乾吉[カサハラケンキチ]
1935年神戸生まれ。1957年東京大学理学部数学科卒業。1962年中央大学講師。1966年東京大学教養学部助教授。1971年10月琉球大学招聘講師。1972年4月琉球大学教授。1975年津田塾大学教授。1998年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オザマチ
8
大学時代に履修した複素解析の講義が、留数定理を応用できるようになるところまでがゴールだったので、その先を深く学ぶために読み始めた。文庫とはいえ、楕円関数などの工科系では扱っていない内容がかなり含まれていて、難易度も分量も多いので注意。2017/09/23
海
0
すごくいい本です。学生時代に買って結局読まず、社会人になって勉強してみました。簡単ではないけど、すごく丁寧に書かれていて、丹念にノートに写経しながらゆっくり考えたらほとんどは理解できるように書いてあります。「次」も見えるように書かれているのも良いです。2022/12/09
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