ちくま学芸文庫<br> ソフィストとは誰か?

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ソフィストとは誰か?

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480096593
  • NDC分類 131.2
  • Cコード C0110

出版社内容情報

ソフィストは本当に詭弁家にすぎないか?哲学成立とともに忘却された彼らの本質を精緻な文献読解により喝破し、哲学の意味を問い直す。解説 鷲田清一

内容説明

古代ギリシアで、華々しい活躍をした一群の知識人「ソフィスト」。新たな思想と弁論の技術をもって市民を魅惑した彼らは、やがて詭弁を弄して人々を欺く偽の知者という汚名を着せられる―。ソフィストとは、いったい何者なのか。なぜ、彼らは哲学の歴史から忘却されたのか。本書は、プラトンとゴルギアスらソフィストとの対決の核心を読み抜くことで、真理の探究としての哲学がいかに可能となったかを問い求める試みである。哲学者とソフィストとが、互いに相手への対抗で存立するという表裏一体の構造を解き明かした、第29回サントリー学芸賞受賞作。

目次

ソフィストへの挑戦
第1部 哲学問題としてのソフィスト(「ソフィスト」ソクラテス;誰がソフィストか;ソフィストと哲学者)
第2部 ソフィストからの挑戦(ソフィスト術の父ゴルギアス;力としての言論―ゴルギアス『ヘレネ頌』;弁論の技法―ゴルギアス『パラメデスの弁明』;哲学のパロディ―ゴルギアス『ないについて』;言葉の両義性―アルキダマス『ソフィストについて』)
ソフィストとは誰か

著者等紹介

納富信留[ノウトミノブル]
1965年生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。同大学院博士課程を経て、91‐96年、ケンブリッジ大学大学院古典学部に留学(Ph.D.を取得)。九州大学文学部助教授を経て、慶應義塾大学文学部教授。2007‐10年まで、国際プラトン学会会長を務める。2007年、『ソフィストとは誰か?』によりサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

14
価値の多元性が認められ、変化する状況に素早く対応できる実行力が求められ、さらにはポストトゥルースという考えまで堂々と主張されるに至った現代は、ソフィスト的な時代だと言えるかもしれない。生前、ソクラテスはソフィスト達と区別されておらず、両者の差異を打ち建てたのはプラトンであるという。ソフィストとされる人々が着目するのは、言論の効力、相対性、蓋然性、そして適宜性といったものである。ゴルギアスが用いる多段論法や枚挙論法といった議論の型が、蓋然性や相対性といった考えを体現しているという指摘が具体的で面白かった。2022/03/15

またの名

11
詭弁家とも訳されるソフィストが屁理屈をこねて民衆を惑わしたと言うのなら、彼らと闘ったとされるソクラテスも当時において喜劇作家が描くように詭弁家の一人に過ぎない(だから死刑)。ところが弟子プラトンが崇高な殉教哲学者像を広めたため敵対者は悪者になり、立場が変化。哲学者は人類社会で高い地位を得るがしかし著者が指摘するように、技術や知識を教えて金を取る大学教授のあり方はプラトンに批判されたソフィストと違いがない。世界市民的なソフィストを非難し愛国精神を誇ったソクラテスだけが本当に正しいのか、問題はそこから始まる。2017/09/24

ともブン

10
読書サークルからの紹介本。これまで読んできたプラトン視線のソフィスト像といえば詭弁師のイメージだったが、本当にそうだったのだろうか? なんらかの時代的、政治的観点から、プラトンの書物だけが残り権威化した一方で、敵視されたソフィストたちの姿が矮小化されており、一方的な印象しか持っていなかったことに気付かされた。 弁論術でその場の空気感や聴衆に合わせて変幻自在に言葉を操る方が優れ、熟考を重ねた書物の方が劣るという当時の風潮と、その反面、時を経て言葉の主の生声が残ったのは書物だったという価値観の反転が興味深い。2021/09/02

てれまこし

7
哲学は、ソフィストであるという告発からソクラテスを救済しようとする努力から生まれた。しかし、ソフィストは哲学者の敵でありかつ内なる他者でもあり続ける。今日哲学者を自称する人々の多くはむしろソフィストに近い。言論を真理の確定ではなく聴き手との関係構築に用いる「詭弁」は、本質的に政治的だ。政治哲学などは、哲学的基準よりソフィスト的基準で評価すべきなような気もする。柳田民俗学もまた、文字に親しみをもたない常民や女子供という聴衆を相手にした政治介入と呼べる。でも、そうすると「詭弁」と「煽動」を区別する倫理が必要。2019/04/21

青柳

6
古代ギリシャにおける”ソフィスト”について焦点を当てた本となります。私たちに比較的親しみのあるソフィスト像は、プラトンの対話編に見出されるような、どこか胡散臭く真理を語らない偽りの知識人として語られがちです。本書においてはプラトンや一般概説書などのイメージから離れ、ソフィストの実像に迫り、彼らが何者でどういった活動をしていたのかについて深く掘り下げられています。ありがたいのがゴルギアスやアルキダマス等の著作を本書で翻訳・解説している点ですね。古代ギリシャ(思想)に関心のある方へ是非お勧めしたい本です。2023/10/28

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