内容説明
知識の確実な基盤を設立すべく、実在と認識との対応(=真理)を飽くことなく求めたデカルト、カント。近代西洋哲学の底に流れるそうした認識論的欲求を脱構築し、新たな知の形を模索したハイデガー、ウィトゲンシュタイン、そしてデューイ。これら二つの勢力の相克こそが「哲学」であると考えるローティは、後者になお残存する「認識論的」衝動からも解放される「ポスト“哲学”」時代を予告した。それでは哲学にはいま何ができるのか?「真理」とは何でありうるのか?本書では主著『哲学と自然の鏡』刊行後に巻き起こった激論に応答しつつ、さらなる問いへと挑む。
目次
プラグマティズムと哲学
たとえ世界を失っても
哲学を純粋に保つこと―ウィトゲンシュタイン試論
伝統を超えること―ハイデガーとデューイ
職業化した哲学と超越論主義文化
デューイの形而上学
エクリチュールとしての哲学―デリダ試論
虚構的言説の問題なんてあるのだろうか?
一九世紀の観念論と二〇世紀のテクスト主義
プラグマティズム・相対主義・非合理主義
カヴェルと懐疑論
方法・社会科学・社会的希望
今日のアメリカ哲学
著者等紹介
ローティ,リチャード[ローティ,リチャード] [Rorty,Richard]
1931‐2007年。20世紀英米圏を代表する哲学者。1979年、『哲学と自然の鏡』において、ポスト“哲学”的時代の到来を予告して衝撃を与えた。また、政治、経済学、社会学など幅広い分野での発言においても大きな影響力をもった
室井尚[ムロイヒサシ]
1955年生まれ。横浜国立大学教育人間科学部教授
吉岡洋[ヨシオカヒロシ]
1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授
加藤哲弘[カトウテツヒロ]
1953年生まれ。関西学院大学文学部教授
浜日出夫[ハマヒデオ]
1954年生まれ。慶應義塾大学文学部教授
庁茂[チョウシゲル]
1953年生まれ。神戸大学国際文化学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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