出版社内容情報
混乱時のとんでもない人のふるまいや、同じ町内で生死を分けた原因等々を詳述する、外骨による関東大震災の記録。人間の生の姿がそこに。
内容説明
明治大正期のジャーナリスト宮武外骨による一味違った関東大震災の記録。筆禍事件で何度も投獄された外骨らしく、復興に対する政府の無能ぶりを激しく糾弾しつつも、その眼は市井の人々の生に注がれていく。尋ね人の掲示板と化した上野の西郷隆盛像、人の土地に建てたバラックを売るつわもの、皇居のお堀で沐浴する人々、「丸焼屋」の屋号で再開した飲食店、朝鮮人暴動説を流し虐殺に手を染める自警団…。そこには災害を乗り越えようとする人間の逞しさと、非常時ゆえにさらけ出されてしまう浅ましさがあった。猛火に包まれる寸前の本所被服廠の写真など貴重図版多数収録。
目次
論説
地震学の知識概略
上野公園に集った避難者
尋ね人の貼紙
上野山王台の西郷隆盛銅像
吉原の遊女
貧富平等の無差別生活
東京を去った百万の避難者
見聞雑記
写真銅版の実景または図画〔ほか〕
著者等紹介
宮武外骨[ミヤタケガイコツ]
慶応3(1867)年讃岐生まれ。明治から昭和にかけて活躍した反骨のジャーナリスト。明治22年に発行した「頓智協会雑誌」に帝国憲法のパロディを掲載して不敬罪で入獄3年。以降「滑稽新聞」「此花」「筆禍史」「猥褻研究会雑誌」「スコブル」「赤」「変態知識」「面白半分」などの新聞・雑誌・書籍を次々と発行。生涯に刊行した出版物は1000点近い。奇抜な表現と方法で権力を揶揄し続け、入獄4回、罰金、発禁などの筆禍29回。晩年は東大法学部内に明治新聞雑誌文庫を創設、その蒐集と保存に尽力した。1955年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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