出版社内容情報
茶の哲学を語り(茶の本)、東洋精神文明の発揚を説き(日本の目覚め)、アジアは一つの理想を掲げた(東洋の理想)天心の主著を収録。
内容説明
岡倉天心が英文で書いた主著三部作(付『東洋の目覚め』)を収録。「茶」の芸術と哲学を語り、日本文化の精髄を説く『茶の本』、日本の興隆は江戸期からの潜在力で、東洋文明の発揚とした『日本の目覚め』、「アジアは一つ」であり、孔子の中国文明もヴェーダのインド文明も日本に継承され開花したとする日本美術文化論『東洋の理想』。明治期の日本は、中国やインドともども西欧列強の圧迫に苦しんでいた。天心は西欧の力に対抗し、これらの著書で西洋思想に対する東洋思想の優位を説いて東洋の再生を宣言する。初版刊行以来各国語に翻訳され、欧米社会に大きな衝撃を与えた不朽の名著。
目次
茶の本
日本の目覚め
東洋の理想
東洋の目覚め
著者等紹介
岡倉天心[オカクラテンシン]
1863‐1913年。思想家。美術史家。横浜生まれ。東京大学でフェノロサに学ぶ。古美術の保護、美術の普及、教育に従事し、東京美術学校(現東京芸術大学)を創立。のち日本美術院を組織し、多くの弟子を育てる
櫻庭信之[サクラバノブユキ]
もと東京教育大学教授
斎藤美洲[サイトウビシュウ]
もと東京教育大学教授
富原芳彰[フハラヨシアキ]
もと筑波大学教授
岡倉古志郎[オカクラコシロウ]
もと大阪外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Miyoshi Hirotaka
21
『東洋の目覚め』は「アジアの兄弟姉妹よ!」で始まる岡倉天心の没後に発見された草稿。文字のない民族は無慈悲に淘汰され、統治機構を持たない諸国は列強に生殺与奪の権を握られた。わが国は最小の流血で統一を達成、不平等条約を課せられたが独立を維持し、内部変革に成功。しかし、三国干渉で海外領土の放棄を強いられたことで、国際社会の冷酷さに再び直面し、臥薪嘗胆が国のスローガンになった。「力こそ正義」の国際社会を最短最速で駆け抜けた知識人の世界観は、核保有国ならあらゆる理不尽が許される現代に貴重なメッセージを伝えてくれる。2025/03/06
CCC
8
西洋への対抗意識が強すぎてこじらせているように感じてしまった。アジア主義とは言うが、著者の認識がはたしてアジアに通用するかは疑問がある。書かれた言葉は日本と西洋に向けられていて、肝心のアジアには向けられていないのではないか。中国人やインド人の評価が見れるものなら見てみたい。2019/03/26
SAKU
4
ようやく読了。何か頭に入ってこない。2024/11/30
whitespring
4
明治において、幕末や維新について書かれたものを初めて読んだ気がする。岡倉天心が外国人向けに英語で書いたものだそうだが、分かりやすく又当時の日本人の意識を垣間見られて面白い。2016/09/19
(ま)
1
"アジアは一つ" 唐の倫理、天竺の宗教、古きアジアの理想が残る粘着質の不二論の日の本・・・アジアの目覚めを高唱し2024/11/02
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