ちくま学芸文庫
数学という学問〈3〉概念を探る

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  • サイズ 文庫判/ページ数 231p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480094230
  • NDC分類 410.2
  • Cコード C0141

内容説明

「数学は自由である」と宣言したカントルが確立した新しい数学、集合論。「無限」を数学の概念として明確に取り入れる集合論は、過去の伝統を一切背負わない数学であり、その誕生は言わば「抽象数学」から「捨象数学」への大転換を宣言するものであった。本巻ではカントルの諸論文やハウスドルフの著作『集合論概要』などを読み解きながら、19世紀後半から20世紀半ばまでの流れを辿る。ユダヤ人数学者たちの目覚ましい活躍により展開した20世紀数学、「自由で開かれた数学」は、情報化の進展したいま、どのように変容していくのだろうか―。全3巻完結。

目次

第7部 無限概念の登場(連続性と実数;カントル―集合論への道;集合論の成立;カントルの後半生と2つの大予想)
第8部 数学の転換期(19世紀から20世紀へ;抽象へ向けて―測る、近づく;数学が展開する場)
第9部 数学の新しい流れ(ユダヤ民族とその思想;20世紀数学のはじまり)

著者等紹介

志賀浩二[シガコウジ]
1930年、新潟県生まれ。東京大学大学院数物系数学科修士課程修了。東京工業大学名誉教授。理学博士。一般向けの数学啓蒙書を多数執筆しており、第1回日本数学会出版賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やす

5
今回は集合論と無限のお話。数学が図形や数直線といったものから解き放たれ、概念の集積に変容していったというお話。無限概念の進化として連続体濃度のお話、積分方程式とは無限次元関数空間の固有値問題でありそこからヒルベルト空間が生まれた。量子力学の行列力学とシュレディンガー方程式とは実はヒルベルト空間の表現の違いであるといった話。集合から位相空間、距離空間へは何を付け加えていけば達成されるのかといったお話。題材の都合から結構抽象的。ルベーグ自身がルベーグ積分が抽象的で悩んだという話はさもありなんと感心した。2014/03/30

Hiroaki Matsuyama

3
カントルの集合論で無限の考え方、広がりについてびっくりさせられた。直線における点の集合と平面における点の集合は1対1に対応する。これは直感的理解はできなくただ驚くのみだ。さらに、対角線論法により、「無理数の集合は可算濃度ではない。(自然数の集合は可算濃度)」が示され無限の中においても濃度により大きさや広がりを見出だしている。2015/10/20

onisjim

0
なんとか全3巻を読み終えた。デデキントやカントールからはじまる一連の議論は「自由」で高度に抽象的すぎて、まったくついていけなかったというありさま(切断や濃度なんてのはちょっと聞きかじったことがあるけれども)。数学ってやっぱりおっかねえ学問だな。ところで、著者がわざわざ一章をさいてまで述べている「ユダヤ思想と数学の発展」論はどうしたものだろう。せめてウェーバーくらいはあたって欲しかった。2013/04/03

2n2n

0
難しい。それ相当に現代数学に精通していなければ、何書いてあるのか理解することすら困難そうだわ、こりゃ。2013/03/23

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