出版社内容情報
幕末を疾走したその生涯を、綿密な考証で明らかに。上巻は元治元年まで。新選組結成、芹沢鴨斬殺、池田屋事件……時代はいよいよ風雲急を告げる。
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内容説明
新選組副長、土方歳三。怜悧な思考、抜きんでたリーダーシップで組織を率い、敗軍の将として戊辰の役を転戦、函館で最期を遂げる。類稀な魅力から、小説・映画・ドラマでもその生涯が描かれてきたが、さまざまな異説に彩られ、真実は解明されてこなかった。本書では、本人の手紙、関係の旧家に伝えられた文書、隊士をはじめとする同時代人の諸記録まで、夥しい史料を渉猟、綿密な考証に基づいて時系列に再構成し、全生涯を初めて明らかにする。上巻は生い立ちから上京、新選組結成、局長・芹沢鴨の斬殺、そして池田屋事件で一躍名の上がった元治元年までを収録。時代はますます風雲急を告げてゆく。
目次
新選組まで(天保六年(1835)誕生
同十一年(1840)母の死
弘化元年(1844)姉嫁ぐ ほか)
文久三年(1863)(浪士組結成;京へ発つ;入京、壬生村へ ほか)
元治元年(1864)(反幕派潜伏の情報を得、市中探索を開始;大坂町奉行所与力・内山彦次郎を殺害;新選組、隊士の脱走が続く ほか)
著者等紹介
菊地明[キクチアキラ]
1951年東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。幕末維新史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
73
新選組副長・土方歳三のあり方が明らかにされていると思います。様々な記録とその解説から、小説等の類とはまた異なる土方像が浮かんできました。真実が明らかになっているということでしょうか。初めて明かされる全生涯、上巻では池田屋事件までが描かれています。下巻も読みます。2018/11/27
えみ
10
これだけの史料を自分で時系列に並べたらいくら時間があっても足りない。これはもう絶対不可能と言っていい。それをこの値段で二冊にまとめてくれた…ありがたい。浪士文久報国記事や新選組遺聞・島田魁日記・隊士の書簡等は馴染みがあったので、原文のまま解説が無くても何が書かれているのか分かった。ただ、他の馴染みの薄い史料は解説が無いと内容把握が難しすぎる。電子辞書をこれでもかってくらい使った。笑。それでも新選組好きにとっては読む価値ありだと思う。様々な史料が細かく記載されていてとても勉強になった。下巻へ。2018/02/15
robyn
7
上巻は土方さんご生誕から池田屋事変まで。当時の書状や日記、過去に発表された文献など時系列に整理したものを読みながら歩みを辿るのはとても面白かったです。私の頭では当時の文書が解読不能なのでニュアンスだけ掴んで解説で答え合わせするような所も多くあり知識の無さが残念すぎました。さほど重要ではない日常のことまで記載されていて終始ニヤニヤしながら読んでいますが、少しずつ歯車が狂い出すと思うと下巻は気が重い。2018/02/25
HANA
6
土方歳三の日記…というわけではなく、当時の資料から彼の動向を探ったものでありました。上巻は出生から新撰組結成、禁門の変まで。大筋は概ねほかの本にも書いてある新撰組の歴史だけど、資料から読み解くと意外な事実が見つかって面白い。会津藩の為に新撰組名義で借金したり、禁門の変当時陣を張っていたのが毎日通っていた道の近くだったりと細かい部分が面白かった。2011/10/16
古古古古古米そっくりおじさん・寺
4
貴重な史料で編まれたものだが、新撰組の歴史はわかるが肝心の土方歳三の活躍を感じられない。近藤芹沢より目立たない。土方を土方たらしめているのはやはり死ぬ迄の2〜3年。だからこそ下巻が楽しみだ。2011/10/29