出版社内容情報
精神が解体の危機に瀕した時、それを食い止めるのが妄想である。解体か、分裂か。その時、精神はよりましな方として分裂を選ぶ。
内容説明
精神の解体を途中で食い止めるものに妄想がある。精神が、解体か分裂かの危機に瀕した時、比較的ましな方として分裂を選ぶのではないか…バベルの塔を比喩にして精神=身体を論じた「解体か分裂か」。統合失調症を中心に精神疾患の発病過程、臨界期、回復期への新たな視点を提起した「精神科の病いと身体」、「統合失調症者における「焦慮」と「余裕」」。他に描画治療論、言語論、心のケアなど、著者がもっとも活発に著作・翻訳活動に励んだ1980年代を中心に22編の論文・エッセイ等を収める。阪神・淡路大震災後の都市論を語った磯崎新との対談『都市、明日の姿』を併録。
目次
1(統合失調症患者の回復過程と社会復帰について;精神科の病いと身体―主として統合失調症について ほか)
2(精神病水準の患者治療の際にこうむること―ありうる反作用とその馴致;統合失調症者の言語―岐阜精神病院での講演 ほか)
3(関係念慮とアンテナ感覚―急性患者との対話における一種の座標変換とその意味について;禁煙の方法について―私的マニュアルより ほか)
4(私の日本語作法;翻訳に日本語らしさを出すには―私見 ほか)
著者等紹介
中井久夫[ナカイヒサオ]
1934年、奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。現在は神戸大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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