内容説明
江戸の世で、アウトローはどこから生まれてどのようにして「侠客」となったのか。相撲が興行として発展し相撲とりが専業となっていった流れの影に何があったのか。江戸風俗の大家・鳶魚の語りによって、そのルーツ、歴史風俗が鮮やかに浮かび上がる。興味尽きない歴史読み物。
目次
博奕打の話
侠客の話
雁金五人男
角力の話
角力風俗
晴天十日
捌き物の話
著者等紹介
三田村鳶魚[ミタムラエンギョ]
1870(明治3)‐1952(昭和27)年。江戸文化・風俗の研究家。本名は玄龍。東京八王子の千人同心の家系の織物買継商に生まれる。青年時代、三多摩壮士として自由民権運動に参加。のち日清戦争の従軍記者などを経て、明治末年より江戸風俗や文化を研究・発表し、その旺盛多彩な研究から「江戸学」の祖とも呼ばれる
柴田宵曲[シバタショウキョク]
1897(明治30)‐1966(昭和41)年。東京生まれ。寒川鼠骨に師事して『子規全集』編纂に尽力、三田村鳶魚の著述にも協力した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
石橋
0
あとがきにもあるようにいろんなところから鳶魚の文章をもってきているのでやや繰り返しが多く、時系列がわかりにくい。でも「侠客」「角力」の成り立ちについては非常に納得。特に侠客は歌舞伎でよく聞く名がたくさん出てくるので想像が膨らんでとてもおもしろかった。2015/10/04
蕃茄(バンカ)
0
ジンギ≠仁義 ジンギ≒順儀2015/07/07
冬至楼均
0
商売として成立する前の相撲の話。そして”正しい”侠客”の話も。 2011/10/23
ポルポ・ウィズ・バナナ
0
トリビア的には侠客のお話のほうがばつぐんに面白かったな。尺八は1尺8寸、脇差がわりに所持してたとか。あと、文章のリズム感が素晴らしかったことを記しておきます。見事な講談ビート。2011/02/22
SigZ
0
★★★☆ 侠客の歴史は興味深く読めたし、とくに大鳥逸平についてはもっと調べてみたいと思った。しかし、後半の角力についてはあまり相撲に興味がないせいか、読むのがつらかった。国技館が建てられたとき、江戸っ子からの評判が悪かったエピソードは杉浦日向子も書いていたけれど、本書からの孫引きだったのだろうか。ところで柴田宵曲が「着る」という字をことごとく「著る」と書いているのは、なにか理由があるのだろうか。最後の章は公事訴訟について割かれているのだが、板倉勝重についてもっと書いて欲しかった。2010/11/29