内容説明
7次元の球面は相異なる28通りの微分構造をもつ!5次元や6次元球面がただ一通りなのに7次元では突如ふつう以外に27通りもの微分構造が可能!!J.ミルナーはそれを“エキゾチックな球面”と呼んだ。本書の一章「奇跡のトポロジスト」では、大発展をとげる微分位相幾何学誕生の衝撃を活写する。ほかに、同じフィールズ賞受賞のR.トムや5次元以上でのポアンカレ予想を解決するS.スメールも登場。数々のエピソードを織り混ぜてつづられた1960年代のトポロジー研究の最前線。爆発する草創期の生命力を臨場感ゆたかに描き出し、創造的な数学者の世界を魅力的に紹介する。
目次
1 イリノイにて
2 アルプスの山々
3 フリースピーチ―ハンドル体の理論
4 バンドル
5 トポロジーの魂―コボルディズム
6 古典数学への道
7 奇跡のトポロジスト―微分トポロジー
8 よき歳月―組合せトポロジー
9 回路網のトポロジー
10 まばゆい未来のために
著者等紹介
野口廣[ノグチヒロシ]
1925年、東京生まれ。東北大学数学科卒業。のちミシガン大学に留学。イリノイ大学客員教授、早稲田大学理工学部教授を経て同大学名誉教授。理学博士。93年より2004年まで数学オリンピック財団理事長を務め、現在、情報オリンピック日本委員会理事。また一本のひもから自在に生み出される「あやとり」の研究・紹介でも知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やす
7
ファイバーバンドル、コボルディズム、マイクロバンドルが定める群などをとてつもない速さでほぼ解説なしでそういうものと飲み込ませるストロングスタイルの本。7次元多様体の異なる微分構造の作り方についても書かれていて完全にはわからないけど二つに切って捻って張り合わせたものと切らない元のものが違う微分になるのはなんとなく想像がつく。解説者によるとこの本は入門書ではなくガチにトポロジーを勉強したい人向けの旅のしおりのようだ。書かれたのは50年前。トポロジーは爆発的に発展して行った時代の熱を感じる本。2025/01/12
roughfractus02
6
J・ミルナー以前は低次元であれ高次元であれ球面の微分構造は各々1つとされていた。が、彼は7次元球面にはそれぞれ「なめらかさの構造」が異なる28の球面があると証明する。この直観に反する証明から位相幾何学は飛躍する。本書は、切り貼り図形のようなハンドル体、低次元の掛け算を変形して高次元をイメージさせるファイバーハンドル、幾何学的不変量でイメージが容易なコボルティズムなどが感覚的に想像できる記述になっている。興味深いのは、微分同相の2つの多様体は同相だが、同相の2つの多様体が微分同相であるとは限らない点である。2017/12/04
数学徒
2
ドイツが大戦前は盛んだったなど知らないことがいっぱいでした。対話形式で図も多くて読みやすかったです。2013/12/24
1.3manen
2
ドーナツの表面(トーラス)は2次元の多様体(p.024)と書いてあります。本著には、公務員試験の空間図形のような、メビウスの帯なども出てきています。 また、p.176の第102図によると、多様体⊃可微分多様体⊃複素多様体⊃代数多様体が同心円上のベン図のような説明になっています。 2012/05/26
おおにし
0
63ページまではしっかり読んだが、ここで挫折。通勤電車の中でトポロジーの本を読むことは無理かあるようだ。後は図を見ながら最後までパラパラとページをめくったら、最後のあたりで電気回路に使うキルヒホッフの法則をトポロジーで説明している箇所を発見。実際アメリカと日本との間の海底ケーブルの設計にトポロジー理論が使われていたそうだ。意外とトポロジーって役に立つんだねえ。2011/12/29




