ちくま学芸文庫
伊丹万作エッセイ集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 390p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480092892
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

戦前戦中の日本映画界を代表する卓抜したシナリオ作家、映画監督伊丹万作。「無法松の一生」「赤西蛎太」「国士無双」などの作品で知られるが、彼はまた、映画論や社会評論にも絶妙な筆をふるった批評の名手でもあった。数々の演技論・映画論は、現在でも映画芸術のバイブルとされ、なかでも「演技指導論草案」は今なお高い評価を得ている。映画関係者のみならず、広くファン必読の書といえよう。その批評は、知的な諷刺のきいたユーモアにあふれ、透徹した観察によって人間性の本質をしかと把握。近年、絶えて久しい、剛直で骨っぽい珠玉の人生哲学を展開する。

目次

映画界手近の問題
映画と芸術院
病床に映画界を想う
感想
寸言帖
戦争中止ヲ望ム
一ツノ世界―私信
政治に関する随想
戦争責任者の問題
演技指導論草案
映画俳優の生活と教養
シナリオ時評
私の活動写真傍観史
カタカナ随筆
古いノート・新しいノート
石山学園ノ歌

著者等紹介

伊丹万作[イタミマンサク]
1900‐46年。本名池内義豊。愛媛県松山市生まれ。1917年松山中学卒。中村草田男らと雑誌「楽天」を作る。挿絵画家を経て、27年谷崎十郎プロダクションに参加。翌年片岡千恵蔵プロダクションに参加。以後「国士無双」「闇討渡世」(32年)、「武道大鑑」(34年)、「忠次売出す」(35年、トーキー第1回作品)、「赤西蛎太」(36年)など20本余の監督作品を残す。38年病床に臥し、「無法松の一生」「手をつなぐ子等」などのヒューマニズムにあふれたシナリオを書く

大江健三郎[オオエケンザブロウ]
1935年生まれ。作家。94年ノーベル文学賞受賞。伊丹万作の長男、映画監督の故伊丹十三は義兄にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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なおこっか

2
臓腑に響く、真摯な言葉。エッセイという軽い響きはそぐわない。『戦争責任者の問題』だけでも、伊丹万作が自己責任の人だとよくわかる。「もしも彼ら(子供たち)が批判の眼を持っていたとしたら、(中略)世の大人たちは、一人のこらず戦争責任者に見えるにちがいない」「真に良心的に、かつ厳粛に考えるならば、戦争責任とは、そういうものであろう」…この覚悟を持った大人が、どれだけいるのか。「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」「不明を謝す」…これらの言葉を、それこそ厳粛に、受けとめざるを得ない。2017/10/29

慶多楼

1
こんな時局だから、いまこそ読まねば。2015/01/29

Tooru Araki

0
特筆すべきは"演出論草案"。「泣くシーンの撮影はあまりテストしてはならない」「脚本は一字一句変えさせてはならない。」など、昭和10年代の段階でここまで理路整然とされている点が驚きだ。現代でも充分通用する。1年間連載したという「映画批評」は、原作に対する監督の脚色・脚本にスポットを当てており、まるでサッカー日本代表に対するセルジオ越後さんのような辛口批評だが、何故そう評したのかという理由も含めて大変説得力があった。伊丹十三監督の父上が、若き日の黒澤明監督のホンの批評を行っているという構図がとても面白かった。2016/03/06

Kei

0
みなさん書かれている通り、60年以上経った今私が読んでも、どきっとする内容が書かれており驚いた。伊丹さんは真理をみれる、みようと努めた方なんだなと。特に「映画とハンセン病の問題」「政治に対する随想」「戦争責任者の問題」は、私にとって大切に考えていきたい、一生読み返す文章です。2012/09/03

arbor

0
「シナリオ時評」も「戦争責任者の問題」も何度でも読み返したい。もちろん他の文章も。本当に名文。ただカタカナ随筆は読みにくい。2012/01/20

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