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ちくま学芸文庫
純然たる幸福

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  • サイズ 文庫判/ページ数 502p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480092489
  • NDC分類 954
  • Cコード C0110

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

純然たる幸福は、苦痛への否定である。どんな苦痛をも、苦痛への危惧でさえをも、否定するのだ。純然たる幸福は言語への否定なのである。―『無神学大全』第4巻として構想された『純然たる幸福』の関連論文、「非‐知」「真面目さの彼方」「ヘーゲル、死と供犠」「ヘーゲル、人間と歴史」などを中心に、バタイユの最重要テクストを精選編集。「レオナルド・ダ・ヴィンチ」などの文化・芸術論、「エロティシズムの逆説」などのエロティシズム論、デュラスとの対話ほか全20編を収録する。文庫化に際し「クレー」「ヘーゲル弁証法の基底への批判」「シャプサルによるインタビュー」の3編を増補。

目次

1 文化・芸術論(アーネスト・ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』について;ピカソの政治的絵画;クレー;文化の曖昧さ;人間と動物の友愛;芸術、残虐の実践としての;作家の二律背反について―ルネ・シャールへの手紙;レオナルド・ダ・ヴィンチ(一四五二-一五一九)
人の住みえぬ地球に?)
2 エロティシズム論(エロティシズムの逆説;エロティシズム、道徳の支え;エロティシズムあるいは存在を疑うこと)
3 ヘーゲル論(ヘーゲル、死と供犠;ヘーゲル、人間と歴史;ヘーゲル弁証法の基底への批判)
4 思想論(第一の要請;非‐知;真面目さの彼方;飽和状態の惑星;純然たる幸福)
補遺(デュラスとの対話;シャプサルによるインタビュー)

著者等紹介

バタイユ,ジョルジュ[バタイユ,ジョルジュ][Bataille,Georges]
1897‐1962年。フランスの思想家。美学・考古学の雑誌「ドキュマン」、左翼政治団体“民主共産主義サークル”、秘密結社“アセファル”などで活動。大戦中『無神学大全』を発表。戦後、書評誌「クリティーク」を中心に広範で尖説な論陣を張る

酒井健[サカイタケシ]
1954年、東京生まれ。東京大学大学院修了。パリ大学でバタイユ論により博士号取得。現在、法政大学教授。著書に『ゴシックとは何か』(サンリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

16
バタイユが語るヘミングウェイ、ピカソ、ヘーゲルetc。ぼくはバタイユ自身には特に思い入れがあるわけでもなく正直著書をパラパラと流し読みした程度でしかないのだけれど面白かった。広く深い思考の果てに言語では語り尽くせぬ部分をどうにかして言語化しようと苦闘する姿は崇高ですらある。ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』を読み返したくなります。賢い人間の思索って凡人が読んでも面白いんだよなと改めて気づいた。2020/06/06

袖崎いたる

5
なんかタイトルで気になってしまった本。純然たる幸福ってなんやねん。純然て! いざ目を通してみたところ、なるほど、純然である。その純然さとはバタイユの言葉としてかねがね言い伝わっている「至高性」のことであり、今ここを生きよという命法とも重なる、希望なんてなくとも今は単独に今であろう、とか、今が不幸だからといって未来にその不満の払拭を恃む心性なんて不純であろう、とか。そういったニュアンスでもって語り説かれるのが純然たる幸福というわけさね。こう言ってよければ、革命的である。いやそのように言いたくなる。革命家的!2025/03/24

ラウリスタ~

5
細かい文章を集めたもの。デュラスとのインタビューもある。とくに珍しいことは書いてなかったとは思うが、かなり脈絡のない、というか文章の質に波のある(論文調だったり、アフォリズム的になったり)ものが多いので、その真価はいまいち分からない。2013/09/19

渡邊利道

3
ヘミングウェイ論、ピカソ論などの芸術論と友愛や残虐などの主題による文化論、エロティシズム論、ヘーゲル論、そして〈無神学大全〉4部の草稿である断章的論考群。禁止と侵犯、真面目と笑い、隷属と至高、過剰と枯渇などの弁証法的関係の「突破」への詩的思索。ほとんど同じことの繰り返しに近いが、呪われた部分の萌芽も幾つか見ることができる。また共産主義社時代のデュラスによるインタビューでバタイユがいわゆる政治的な実践というか世の中を良くしようという感覚をまったく持っていないと言うのが大変面白い。2017/12/24

ゲニウスロキ皇子

3
言語による認識では辿り着けない境地を、言語による記述で目指す。この矛盾に心底苦しみながらも、それでもなお書くことをやめなかったバタイユ。到来しえぬものを、認識の彼岸を目指す。あと、補遺のインタビューが嬉しい。2009/11/06

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