内容説明
塗ったペンキが垂れ下がってできる不規則な模様、カップから立ち昇る湯気が液面上に描く亀甲模様、雪の結晶が成長するときの樹枝状の模様。つながりのなさそうなこれら現象にじつは共通するものがある。不安定な状態が安定な状態に落ち着こうとする変化の過程で過渡的に現われる模様なのだ。ありふれた現象ながら、意外にも古典的手法では説明がつかないという。古典理論の破れ目から見えてくるものとは何か?ほかに、ゴルフのバック・スピンはグリーンの表面状態に無関係という話、昆虫の羽ばたきの最適解からわかる、うちわの大きさ・材質の最適解など、話題は多彩。
目次
メガネを合わせる
車と足
レールのいらない軌道車
生物の設計
横っ飛び式思考法
感じと理屈
「であろう」の背景
ゴルフのバック・スピン効果
入学試験とジャガイモ
素人私有財産論
昆虫のはばたき
アユと泳ぐ
一本の針金の謎
こまの不思議
アブクの物理学
流れ模様
焼畑方式の図書館
保存図書館の構想