内容説明
人間はなぜ眺望に魅了されるのか。なぜ故郷に愛着をもつのか。トポフィリア―“場所愛”。環境と人間との情緒的なつながりを表すこの画期的な概念を、人間主義地理学者トゥアンは本書で提唱した。ダ・ヴィンチの渓谷描写からロサンゼルスの高速道路まで、古今東西の具体例をあげて、人間の環境に対する認識・態度・価値観をくまなく探究し、理想の場所をもとめてやまない人間の営為を、まったく新しい視点から読みなおす。建築・都市計画・自然・環境論に関心をもつすべての人々にとって必読の基本図書、待望の文庫化。
目次
知覚の一般的特徴―感覚
一般的な心理構造と反応
自民族中心主義・対称性・空間
私的な世界―個人の違いと嗜好
文化・経験・環境への態度
環境・知覚・世界観
トポフィリアと環境
環境とトポフィリア
コスモスから景観へ
理想都市と超越性の象徴
物理的環境と都市の生活様式
アメリカの都市―象徴体系・イメージ像・知覚
郊外とニュータウン―環境の探求
要旨と結論
著者等紹介
トゥアン,イーフー[トゥアン,イーフー]
段義孚。1930年中国で生れる。中国系アメリカ人。オックスフォード大学で修士号、カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得。現在、ウィスコンシン大学マディソン校名誉教授。70年代に現象学的地理学の旗手として颯爽と登場し、今日では、世界的な第一人者として知られている
小野有五[オノユウゴ]
1948年生れ。北海道大学教授
阿部一[アベハジメ]
1961年生れ。東洋学園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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