ちくま学芸文庫<br> かたり―物語の文法

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ちくま学芸文庫
かたり―物語の文法

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  • サイズ 文庫判/ページ数 195p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480091338
  • NDC分類 801
  • Cコード C0110

内容説明

「歴史学は客観主義、実証主義の過度の呪縛から逃れ、小説の手法を用いながら、具体的な効果を現さなければならない」。この折口信夫の論を受け著者は、虚構―実録の双方根底に“かたり”という共通の基盤を見出した。歴史を伝える上で「(過去を)はなす」のか「かたる」のか、それら馴染み深い言葉の用法を比較しながら、物語を提示する「言語」の位相を考察。その帰結で科学の理論と、物語・詩との間に著しい類似点があることが披露される。カント研究第一人者でありながら、哲学の枠を超え、和洋の垣根なく、領域横断的な発想をもつ著者ならではの縦横無尽な論究。

目次

第1章 “かたり”の基底(詩と歴史;人文科学としての“かたり”;〈かたり〉の回路)
第2章 “かたり”の位相(言語行為としての“かたり”;“かたり”と“はなし”;垂直の言語行為・水平の言語行為;〈かたり〉と〈ふり〉;〈かたり〉の位相)
第3章 “かたり”の時間―いまはむかし(“むかし”と“いにしへ”;“かたり”の時制―H.ヴァインリヒに即して;浮き彫り付与とアオリスト;発話の方向;時制の移行・時制の転移)
第4章 “かたり”と“うた”と人称と(ヤーコブソンの二軸理論;言語の詩的機能と人称の転移;時間の詩的転移としての〈かたり〉)
第5章 “かたり”と世界―time immemorial(時間とのたわむれ・時間の可逆性;詩と科学そしてアオリスト)

著者等紹介

坂部恵[サカベメグミ]
1936年、神奈川県生まれ。1959年、東京大学文学部哲学科卒業。1965年、同大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。国学院大学専任講師、東京都立大学助教授、東京大学助教授、同教授、桜美林大学教授を経て、東京大学名誉教授。1976年、『仮面の解釈学』(東京大学出版会)で山崎賞受賞。1986年、主に『和辻哲郎』(岩波書店)の業績により、サントリー学芸賞受賞。2002年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

9
E.F文庫。ナラティヴはアメリカ文学の巽孝之教授の講義で教わった。懐かしい。学問には手法の革命も学術進歩(化)には不可欠である。誰も考えないことであることが評価される。日本の大学受験も変わってはきたが、誰も考えないことを評価するには大学院へ行く以外ない。初めて学部で自分で問題も考えて、自問自答する卒論なるものに挑む。それでは、問題意識が枯れてしまってはいないだろうか? もっと適切な頃に鮮度のいい問題意識を深められる教育システムにしなければならない。3・11があって被災者のかたりが記録される意義が出てきた。2014/01/02

きつね

7
冒頭で折口信夫を引用したり、藤井貞和を引用したりで期待するのだが、結局中盤からはヴァインリヒの『時制論』ほか、バンヴェニスト、ヤコブソンらの引き写しをパズルのように組み合わせていく話がえんえんと続き、出発点には戻らない。その過程ではじめに強調されたはずの「かたり」の語の豊穣さ(たとえば騙りの意)は忘却される。ヴァインリヒのいう「有用性の制限」に対して、「騙り」がもつ意味は? など、構成上期待される論点が問われない。ひろげた風呂敷とは別のテーブルでパズルを始めるそのパズルにもさほど魅力を感じなかった。2015/02/10

あかふく

4
ポール・リクールを師とする日本人哲学者による物語に関わる議論。ヴァインリヒとヤーコブソンの議論を日本語を通すことによってより普遍化し、また、<かたり><はなし><うた>といった日本語による発話の違いを考え、時間の問題に踏み込み世界との関わりの問題として提起する。本書が折口信夫による事実と伝説の対立への疑義からはじまる以上至らねばならないところだった。2013/03/14

nranjen

3
眠れず手に取った本。「かたる」「はなす」の違いから、同じ言語を使いながらもその内容世界が異なっていることを論じた本。ヴァインリヒの時制の話まではそれはすばらしいと納得しながら読んでいたが、ヤーコブソンが登場して、眠くなったせいかまったく頭に入ってこなかった。後半読み直すべきかもしれない。2020/11/25

Haruka Fukuhara

3
単行本にて。ことばにこだわった哲学。もう一つ借りた本よりも読みやすかったけど、理解しようとするとなかなか大変。やさしいことばで書いてくれているので字面だけだとそんなに難しく見えない。2017/02/26

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