内容説明
政治が乱れ、人の世が荒み果てていた時代、現在の人間に失望しつつも未来の人類に対して期待を抱き、人間の可能性に大きな信頼を持ちつづけた孔子。「論語」全訳・注釈を手がけた中国文学の碩学が二十篇五百章を自在に読みこみ、孔子の生き方と思想をわかりやすく解き明かす。「子曰く、仁遠からんや、我れ仁を欲すれば斯ち仁至る」。伊藤仁斎や荻生徂徠ら江戸の学者をはじめとする人々は「論語」をどのように読んだか。また、孔子が説きたかった仁とは何だったのか。諸国を旅して味わった失望や、弟子や民との対話を通して、孔子を語り、吟味する最上の入門書。
目次
はじめに―「論語」とはどんな書物か
「論語」が読まれてきた理由
孔子の生まれ
「十有五にして学に志す」
「三十にして立つ」
斉の景公との対話
「論語」は封建的な書物か
孔子を取り巻く世の乱れ
政治を通じて理想を実現する
「政を為すに徳を以ってす」
孔子と老子の対話伝説
「論語」の世界観と老荘の道
「論語」の「仁」とキリスト教の神
「五十にして天命を知る」
魯の宰相時代の生活
「義を見て為さざるは勇無きなり」
放浪遊歴時代(1)
放浪遊歴時代(2)
徳と好色
「天を怨まず、人を尤めず」
最晩年の孔子と孔子伝説
「仁を欲すれば斯に仁至る」―努力と可能性への信頼
「怪力乱神を語らず」―人間の限界への洞察
「天命を畏る」―「論語」の運命観(1)
「中庸の徳」―「論語」の運命観(2)
終わりに―学問のすすめ
著者等紹介
吉川幸次郎[ヨシカワコウジロウ]
1904年、神戸市に生まれ、1980年、没。1923年京都帝大文学科に入学、支那文学を専攻。’28年中国に留学、’31年帰国。同年、京都大学人文科学研究所東方学研究部の研究員となり16年間をすごす。’47年京都大学教授。この間、数々の著書を発表、日本の中国文学の普及に大きく貢献、芸術院会員、文化功労者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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