ちくま学芸文庫
心身の合一―マールブランシュとビランとベルクソンにおける

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480091147
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0110

内容説明

デカルト以降の近代哲学において、最大の関心が払われてきた「心身問題」。単なる物体や精神ではない“両義的な身体”としての人間観を提唱したメルロ=ポンティは、この伝統的な問題系にたいして、どう立ち向かうのか。17世紀以降3つの世紀に特徴的なフランスの哲学者3人をとおして、神学や心理学的知見との関係も追いつつ、心身観の流れを再検討する。「どんな哲学史も哲学者による自らの研究主題の個人的捉らえなおしであり、それによってこそ真理が取り出されうる」と主張するフランス現象学者の、明晰にして格調高い古典解釈。

目次

マールブランシュとビランとベルクソンに関する哲学史覚え書
デカルトにおける心身の合一
マールブランシュにおける自己意識
自然的判断と知覚
感覚的延長と叡知的延長
心身の諸関係における因果性
神学と心身の合一
マールブランシュからメーヌ・ドゥ・ビランへ
ビランとコギトの諸哲学
ビランとコギトの諸哲学(終り)
『物質と記憶』―第一章の分析の新しさと積極性
『物質と記憶』―第二章
テクストの注釈―「無意識」
テクストの注釈―存在の定義
テクストの注釈「経験をその源にまで尋ねてみること」
ベルクソンの哲学における直観と構築作業との諸関係

著者等紹介

メルロ=ポンティ,モーリス[メルロポンティ,モーリス][Merleau‐Ponty,Maurice]
1908‐61年。高等師範学校卒業。高等中学校の哲学教授などを経て、リヨン大学、パリ大学、コレージュ・ドゥ・フランスの教授を歴任。サルトルらとともに雑誌『レ・タン・モデルヌ』を創刊し、政治的発言も行なう

滝浦静雄[タキウラシズオ]
1927年生れ。東北大学名誉教授

中村文郎[ナカムラフミロウ]
1946年生れ。岩手大学教授

砂原陽一[スナハラヨウイチ]
1947年生れ。金沢大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

6
1981年邦訳初出。「道徳は幸福の探求」(066頁)。門外漢からすると理解が困難なレベルの高い内容であった。注も豊富だが、その中で、「ベルクソンは、時間を何よりも『持続』として捉えるが、そこでは過去は時間の流れとともに消え去るのではなく、つねに木の年輪のように現在に蓄積され、刻々に新しい現在を実現」(152頁)はなんとか理解できる。ルカサーがこの間来日したようだが、彼の歌詞でWe are the future and the pastがある。クローチェをも想起できる。既視感は偽再認という(174頁)こと。2013/03/07

Fumoh

2
マールブランシュ、ビラン、ベルクソンという三人の思想家における心(観念)と身(事実)の関係性と、その総合性におけるメルロ・ポンティの講義録。かなり難しい。その理由が、メルロ・ポンティの周辺における哲学史の状況を理解していなければならない、すなわち、文脈・背景を前提とした叙述になっているからだ。現象学が確立され、今度は現象学をどう評価していくかといった流れの中で叙述されたものだと思われ、その背景が表れてこないので、単純な評価の難しい著作だと思う。2023/07/08

のほほんなかえるさん

1
この本は実に難しい。◆講義の採録ということもあり、内容が込み入り過ぎていて、どう読み解けばいいのか手も足もでなかった。◆たぶん、主題は、デカルトに発する心身二元論の問題を脱して、一つの統合された「心身」としてどう人間の「存在」を捉えなおすことにあるのではないか。◆それにしても途中登場する「延長」という概念がどうも受け入れられなかった。◆また「心身」問題を途中、神学的な問題として帰するところがあるのはどうも納得がいかなかった。◆ベルクソンのテキスト解釈も、これは……実に、難解でさっぱりわからなかった。2016/02/25

有沢翔治@文芸同人誌配布中

0
メルロー=ポンティの講義録。テスト問題も載ってて面白い。2011/07/11

のの

0
メルロポンティの講義と模範解答、読解例。久しぶりの哲学過ぎてなにもわからなかった… キリスト教やそもそものテキストを知らないと辛い。脳科学が入って心身の考え方をどうするか、というのはあったよいだ2010/08/07

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