内容説明
デカルト以降の近代哲学において、最大の関心が払われてきた「心身問題」。単なる物体や精神ではない“両義的な身体”としての人間観を提唱したメルロ=ポンティは、この伝統的な問題系にたいして、どう立ち向かうのか。17世紀以降3つの世紀に特徴的なフランスの哲学者3人をとおして、神学や心理学的知見との関係も追いつつ、心身観の流れを再検討する。「どんな哲学史も哲学者による自らの研究主題の個人的捉らえなおしであり、それによってこそ真理が取り出されうる」と主張するフランス現象学者の、明晰にして格調高い古典解釈。
目次
マールブランシュとビランとベルクソンに関する哲学史覚え書
デカルトにおける心身の合一
マールブランシュにおける自己意識
自然的判断と知覚
感覚的延長と叡知的延長
心身の諸関係における因果性
神学と心身の合一
マールブランシュからメーヌ・ドゥ・ビランへ
ビランとコギトの諸哲学
ビランとコギトの諸哲学(終り)
『物質と記憶』―第一章の分析の新しさと積極性
『物質と記憶』―第二章
テクストの注釈―「無意識」
テクストの注釈―存在の定義
テクストの注釈「経験をその源にまで尋ねてみること」
ベルクソンの哲学における直観と構築作業との諸関係
著者等紹介
メルロ=ポンティ,モーリス[メルロポンティ,モーリス][Merleau‐Ponty,Maurice]
1908‐61年。高等師範学校卒業。高等中学校の哲学教授などを経て、リヨン大学、パリ大学、コレージュ・ドゥ・フランスの教授を歴任。サルトルらとともに雑誌『レ・タン・モデルヌ』を創刊し、政治的発言も行なう
滝浦静雄[タキウラシズオ]
1927年生れ。東北大学名誉教授
中村文郎[ナカムラフミロウ]
1946年生れ。岩手大学教授
砂原陽一[スナハラヨウイチ]
1947年生れ。金沢大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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テッテレこだち
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