内容説明
私たちの世界には実に多くの文様が息づいている。それは、一万数千年前の世界最古の縄文土器に見られる押圧痕から始まる。奈良時代以後、外来の仏教や中国の文化を日本風に変容させ、また、戦国時代に入ると、西洋文化をも和様化して取り込み、発展させてきた。そこには、それらの文様を考え出した名もなき作者たちの声があり、それを美しいと感じた日本人がいた。本書は、日本の伝統文様の生成と発展の意味するところを探り、著者が四十年にわたって追求してきた「日本人のこころとかたち」を、描き起こしの三百数十点の極細密画とともに明らかにする類例のない試み。文庫オリジナル。
目次
第1章 文様の始原・衝動から生まれたかたち(原始的図形;宗教的図形;いのちを発動させる図形;世界認識のしるし)
第2章 外来文様・好奇心をゆさぶるかたち(古墳時代から平安時代;鎌倉時代から室町時代;桃山時代から江戸時代;幕末から明治、大正、昭和時代)
著者等紹介
樹下龍児[キノシタリュウジ]
1940年、旧満州奉天に生まれ、北九州に育つ。1964年、東京人形町に文様デザイン事務所を開設。染織図案から建築室内装飾まで、デザイン実務に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。