内容説明
「私の身体」は世界の「うち」に一定の場所を占める固有の身体=物体であるが、同時にその固有の位置を「越えて」世界全体を開く超越論的身体でもある。この二重の機能をもった固有の身体を通して、「私」は時間・空間を開くのみならず、そこに位置するもろもろの物体を秩序づける能力をもつのである―カントの超越論的観念論における空間と身体との根源的関係をえぐり出し、ニュートン的自然とは異なるカント独自の自然観を解明する。また、行為の道徳性の根拠をめぐる適法性と内的動機との関連についての考察から、カント倫理学における「法論」の位置を見定める。
目次
第1章 カントの身体論(身体に対する自然;超越論的身体)
第2章 カントの他者論(自由な他者の存在;私の時間・他者の時間)
第3章 カントの法論(カント倫理学における法論の地位)
著者等紹介
中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年福岡県生まれ。77年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。83年、ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士)。電気通信大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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