内容説明
ほんとうのことばの教育とは。教育混迷の時代に贈る「国文学の巨人」の三十年にわたる発言。
目次
1 しあわせをつくり出す国語教育について―初期の文学教育論(文学教育の問題点;たどたどしい作文教室から―定時制高校の場合;幸福な生活を築く働き手となるために―高等学校の場合;しあわせをつくり出す国語教育について)
2 古典文学教育でいまなにが問題なのか―古典教育論(海さち山さち―神話と教育;「平家物語・橋合戦」―高校国語(乙)教材の研究 ほか)
3 “内なることばの国”建設のために―「現代国語」論・国語教育原論(国語教師・わが主体;西尾実における鑑賞理論の自己克服 ほか)
4 思考の型をつかむ―学習指導論(対概念を手がかりに読み解く―問いの系統化の試み;思考の型をつかむ―投げ込み教材の学習 ほか)
著者等紹介
幸田国広[コウダクニヒロ]
1967年生まれ。法政大学第二中高等学校教諭。法政大学・首都大学東京非常勤講師、NHKラジオ「国語表現1」講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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虎哲
2
この本の編著者幸田国広先生、先に読んだ本の著者井浪真吾先生をはじめ、益田勝実の仕事に影響を受けた人は多い。そんな益田勝実の仕事の一端を知るべく私も頁を捲った。都立神代高校定時制教諭時代の1953年から法政大学文学部教授時代の1981年の論考が所収。諸論考は歴史を感じるが内容に陳腐さはなく、提示されているのは今なお残り続けている問題である。「学校の古典文学教育は、古典再発見へのプロセス」(285頁)、実際の教材を元にした主張は刺さった。まだ多くある益田の仕事や随所に取り上げられる柳田國男についても学びたい。2020/12/16
ナナシ
0
【p282 言うまでもなく、古典は古いから古典ではなく、そのもつ価値が現代人に古典性をもつものとして機能するから、古典なのである。古典は、現代的なものに強く働きかけ、新しい生命力を注入してくれつつ、しかも現代的なものと対峙する内容のゆえに古典なのである。「古典」という固定したものがわれわれ以前にあるわけではなく、われわれの方がわれわれ以前に強く求めていくから、古典が発見されるのである。】 拾い読み。古い文章が多いけれど、現代にも通じる根源的な内容。2015/04/19
やま
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授業の参考資料です。2008/05/06
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- 和書
- ロシア語の余白の余白