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ちくま学芸文庫
三つのヘーゲル研究

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480089687
  • NDC分類 134.4
  • Cコード C0110

内容説明

「現代はヘーゲルを前にして何を意味するかという問いは、まだ発せられてすらいない」―現代の弁証法の巨匠アドルノは本書でヘーゲル哲学の構造と根本的視点に深い省察を加えたのち、こう断言する。アドルノによれば、これまでに企てられたどんな解釈もこの史上まれに見る弁証法的思想家の核心をまだ捉えていない。ヘーゲルの著作は非常に難解だが、それはその哲学が現実のこちら側にとどまらず苛烈な世界のなかへと挺身してゆくところから来る。アドルノはヘーゲル哲学を徒らに思弁的と非難するのではなく、現実に対する最も鋭い認識と批判とをその語法から読み取り、読者の理解を助ける。

目次

第1部 ヘーゲル哲学の視点
第2部 ヘーゲル哲学の経験内容
第3部 「暗い人」―またはヘーゲルをどう読むか

著者等紹介

アドルノ,テオドール・W.[アドルノ,テオドールW.][Adorno,Theodor W.]
1903‐69年。ユダヤ系の家庭に生まれ、音楽の素養を育む。フランクフルト大学で哲学を専攻。ホルクハイマーを通じて「社会研究所」に接するが、33年のナチの政権奪取により、38年アメリカへ亡命。49年、ドイツに帰還し、フランクフルト大学に「社会研究所」を再建、同「研究所」所長となる

渡辺祐邦[ワタナベユウホウ]
1931年、東京生まれ。北海道大学卒業。元小樽商科大学教授。専攻、哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

12
訳分からない悪文を書く哲学者をさらに不明瞭な悪文家が解説する魔境。分かり易く明晰などという実証主義的な概念は哲学由来で哲学が格闘してきただけに諾々とは従えないとハッスルする著者によれば、現代から見てヘーゲルの変だなと思う箇所にこそ重要さが、良さそうな所ではなく弱点や汚名のうちにこそ真理が隠れている。「すなわち、弁証法は不可能であるという弁証法最大の真理が」。理性は過ち間違ってるがゆえに自己矛盾を通じてしか先へ進めない、非合理や身体に頼るでも矛盾をさっさと取り払うでもなく、矛盾自体が真理になる他ないと力説。2021/03/09

🍕

3
カントからハイデガーのテクストまで射程にした分厚いヘーゲル解釈を行っているが、例によってアドルノの反動的姿勢が滲みでていて、ヘーゲルを利用した科学批判など不毛に思われる部分もあつた。とはいえ分析的ヘーゲル研究が進みつつある現勢ではむしろそれが反時代的な特異性になりえてるかもしれないとオモタ2021/02/06

KN

0
あらゆる直接性は媒介されている、ヘーゲルの著作は己が語る内容になろうともがいている…といったように、ヘーゲルがある面においてアドルノやデリダを先取りしていたことがわかる。デューイが真にヘーゲル的であるという指摘も流石。2016/06/13

home alone

0
アドルノによるヘーゲル解説本。日本人が書いたものより味があって骨もある。アドルノ先生にしては結構分かりやすい部類なんじゃないの。ヘーゲルが無意味だと思う人が読むといいらしいです。とりあえず面白かった2012/09/02

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