内容説明
古事記は遠い古代から私たちになにを語っているのか。古事記を構成するひとつひとつの言葉を分析し、本文の文脈に即して意味を確定する全注釈。本居宣長『古事記伝』以来の解釈について、国文学はもとより、民俗学、人類学、神話学等の視点、知見を導入して根本から問い直し、ひとつの世界としてその全体像を明らかにする。西郷古典研究の最高到達点であり、古事記研究の金字塔。第一巻は著者の序「古事記を読む」と「太安万呂の序」「天地初発」「伊邪那岐命と伊邪那美命」「大八島国と神々の生成」「黄泉の国、禊」を収録。
目次
第1 古事記を読む―“読む”ということについて
第2 太安万侶の序
第3 天地初発
第4 伊邪那岐命と伊邪那美命
第5 大八島国と神々の生成
第6 黄泉国、禊
著者等紹介
西郷信綱[サイゴウノブツナ]
1916年、大分県生まれ。東大文学部卒。日本の古代文学研究の泰斗。歴史学、人類学などの成果をとり入れた広い視野で、国文学研究に新しい面を切り開き、多くの問題を提起した
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感想・レビュー
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MrO
2
やはり、古事記は読んどかないとね2020/05/03
はにゅ
0
原文読んだらこれ読め、捗るぞ。2006/10/11
しいかあ
0
もらった本だけど、これが面白い。古事記では言葉や神様の名前、役割など、よく意味が分からないことが多いけれども、そうした点をいちいち注釈してくれるのでわかりやすい。意味の不明な言葉については、これまでに出された様々な説を比較検討し、その上で著者の考えを控えめに提示する。それでもわからないところはわからないとし、無理な解釈を避けようとするあたりに、著者の真摯な姿勢が伺える。日本の神様ってマナっぽいなあと思っていたけど、同じ考えの人がいたとは。ちょっと嬉しかった。2010/06/08