内容説明
神は細部に宿りたまう。一見ささやかな図像にも歴史の秘密が隠されている。イコノロジーの創唱者アビ・ヴァールブルク終生の課題は、イメージを手がかりに「古代が後世の文化に与えた影響の伝播とその本質」を問うことだった。ザクスルもまたその理念を共有し、英米圏での啓蒙と普及に大きく貢献した。本書は、「歴史、文学、科学、宗教の境界を耕す働き手」を自認する著者の学際的関心が横溢する講演選であり、今日再評価の気運高い「ヴァールブルク的方法」のみごとな実践例とも言える名著である。関連資料・長文解説を完備する待望の改訳増補決定版。図版199点。
目次
1 イメージの死と再生
2 石棺のアルケオロジー
3 中世の宇宙観
4 カピトリウム―ローマのシンボリズム
5 トロイ物語―宮廷風恋愛物語のイコノグラフィー
6 ミトラス1―古代インドからローマへ
7 ミトラス2―洞窟祭祀のシンボリズム
8 三人の「フィレンツェ人」―ホーン、ヴァールブルク、メニール
9 蛇・稲妻・祝祭―ヴァールブルクのニューメキシコへの旅
10 ひとつの出会い―カッシーラーとヴァールブルク
補遺 ヴァールブルク文庫とその目的(佐川美智子訳)
著者等紹介
ザクスル,フリッツ[ザクスル,フリッツ][Saxl,Fritz]
1890‐1948年。イギリスの美術史家・文化史家。ウィーンのユダヤ人家庭に生まれる。ウィーン大学でドヴォルジャークに、ベルリン大学でヴェルフリンに師事。アビ・ヴァールブルクの秘書、研究所初代所長として、その学的理念の啓蒙に努め、文庫・研究所のロンドン移転およびその後の発展にも尽力した
松枝到[マツエダイタル]
1953年生まれ。和光大学教授。文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ekka