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ちくま学芸文庫
完本 風狂始末―芭蕉連句評釈

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  • サイズ 文庫判/ページ数 701p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480089014
  • NDC分類 911.32
  • Cコード C0192

内容説明

『芭蕉七部集評釈』正(1973)・続(1978)は、連句評釈という形式を借りて、徹底的に蕉風とは何かを追求し、識者の世評を上げた。以来十余年、さらに新釈を志し、『風狂始末』(1986)『続風狂始末』(1989)『風狂余韻』(1990)を上梓した。そこで、付合とは何か、言葉とは何かを、各歌仙の趣向と併せて、極めて緻密な考証と研ぎ澄まされた想像力を駆使してスリリングに読み解く。ここに、芭蕉とその一門の人間ドラマが展開される。読者は、本書を繙くことによって、その連句のはこびの緊迫した対話の場へと引きずり込まれる。著者のライフワーク、芸術選奨文部大臣賞受賞の画期的名著。

目次

狂句こがらしの巻(『冬の日』)―芭蕉・野水・荷兮・重五・杜国・正平
霽の巻(『冬の日』)―杜国・重五・野水・芭蕉・荷兮・正平
雁がねの巻(『阿羅野』)―越人・芭蕉
鳶の羽の巻(『猿蓑』)―去来・芭蕉・凡兆・史邦
梅が香の巻(『炭俵』)―芭蕉・野坡
炭売の巻(『冬の日』)―重五・荷兮・杜国・野水・芭蕉・羽笠
霜月の巻(『冬の日』)―荷兮・芭蕉・重五・杜国・羽笠・野水
花見の巻(『ひさご』)―芭蕉・珍碩・曲水
灰汁桶の巻(『猿蓑』)―凡兆・芭蕉・野水・去来
空豆の巻(『炭俵』)―狐屋・芭蕉・岱水・利牛

著者等紹介

安東次男[アンドウツグオ]
1919‐2002年。岡山県生まれ。東京大学経済学部卒。詩人、俳人、評論家。号は流火。1941年ごろから加藤楸邨に師事、「寒雷」に投句。のちに詩作に転じたが、壮年以後も句作を続け、格調高い作風を示し、句集『流』で詩歌文学館賞。その間、『澱河歌の周辺』(読売文学賞)など、鋭い感性と精緻な読解による秀抜な批評活動を行なう。また、エリュアール、サガン、アラゴンなどフランス文学の翻訳多数
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