内容説明
既存の思想を脱‐構築し、読む者に大きな刺激を与え続けたジャック・デリダ晩年の講演とインタビュー。ポール・ド・マンによるルソーの分析を読み解きながら告白・お詫び・誓いのもつアポリアをえぐりだしていく「タイプライターのリボン 有限責任会社2」をはじめ、思想的深さを湛えた5作品を収録。ユーモアと機知にあふれ、時には大胆に、肉声で綴られる精緻かつスリリングな著作。
目次
マシンと「サンパピエ」
物質と記憶(来るべき書物;タイプライターのリボン 有限責任会社2)
パピエ・ジャーナル(ワードプロセッサー;紙かそれともわたしか。ご存じのように…(貧者の贅沢についての新しい考察))
著者等紹介
デリダ,ジャック[デリダ,ジャック][Derrida,Jacques]
1930‐2004年。アルジェリア生まれ。エコール・ノルマル卒業。西洋形而上学のロゴス中心主義の脱構築を企てた哲学者
中山元[ナカヤマゲン]
1949年生まれ。東京大学教養学部中退。思想家・翻訳家。多数の著書・翻訳書がある。インターネットの哲学サイト『ポリロゴス』を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
7
アウグスティヌスとルソーの両『告白』での、同じく16歳でのある盗みについての、ド・マンのルソー読解をベースにした論考。ルソーが盗んだリボンが、タイプライターのリボンとして変奏されるとってもアクロバティックな文章。とりあえず、『読むことのアレゴリー』をさっさと読もう。最後の方は、タイプライターと手書きと紙についてのさして目新しくもない文章。デリダなのに読みやすい。2014/02/12
tyfk
6
ログをみたら、2022年の夏にルソー『告白』『孤独な散歩者の夢想』をまとめて読んでいる。ルソーは社会契約説とかよりこのあたりのが一番面白いなと思ったのだが、告白と(近代)文学の関係とかばくぜんと考えたりしてた。ポール・ド・マンは未読だったけど、『読むことのアレゴリー』などでルソーを論じていたのは知らなかった。2024/08/21
はむ
0
真ん中の「タイプライターのリボン」以外読んだ。 タイプライターやコンピューターの黎明期に、エクリチュールについての思索を絶えず行い続けたデリダがどのように捉えていたかについて興味深かった。文体も簡易だった。やはりインタビュー形式がナンバーワン2024/07/20