内容説明
妻の肉体を次々と客人に提供するという衝撃的な小説三部作『歓待の掟』(1953‐60年)で欲動の共同体を望見したクロソウスキーが、フランスにおける有力なニーチェの翻訳者・研究家の一人として68年5月直後のフランス思想界に投じた、驚嘆すべきニーチェ論。人格の同一性の下にざわめく言語以前の無数の欲動、すなわち強度の解放という本書の提示した光によって、ニーチェの悲劇的生と思想はまったくあらたな相貌を明らかにする。大小の断片を積み重ね、自在な引用をつむいでゆく、それ自体破天荒で啓示的な反‐論述は、21世紀の今も誇らしく異端的な地位を失っていない。優れた翻訳による、みずみずしく真に独創的なニーチェ論の蘇り。
目次
文化との闘い
欲動の記号論の起源としての病的諸状態
永劫回帰の体験
頽廃、躍動、集団、個別的ケース―四つの基準の起源としての病的諸状態
永劫回帰の科学的説明の試み
選別の教説としての悪循環・永劫回帰の政治的ヴァージョン・悪循環の陰謀
父の亡霊との対面
病者によるもっとも美しき発明
トリノの陶酔
ニーチェの記号論に関する付記
著者等紹介
クロソウスキー,ピエール[クロソウスキー,ピエール][Klossowski,Pierre]
1905‐2001年。パリ生れ。若くしてジッドらに知られ、30年代にはバタイユやカイヨワらの先鋭なグループに参加。戦後は独自の執筆活動を展開
兼子正勝[カネコマサカツ]
1953年生れ。東京大学文学部博士課程中退。パリ大学文学博士。現在、電気通信大学教授。フランス文学・思想専攻
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感想・レビュー
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内島菫
34
なっぢ@断捨離実行中
ULTRA LUCKY SEVEN