内容説明
フロイトはいまだ歴史に属してはおらず、精神分析の知は汲み尽くされてはいない。一知半解の愚を避けるには、精緻な再読・三読にしくはない。正確平明な新しい日本語版が必要だ。フロイト新訳プロジェクトは本書をもって始まる。精神分析の誕生を告げるこの記念碑的著作は、ブロイアーとフロイトの理論や治療技法上の差異のみならず、両者の複雑な人間関係をも反映して興味深い。さらに、古典的症例(アンナ・O、エミー・フォン・N、ルーシー・R、カタリーナ、エリーザベト・フォン・R)の報告は、女性たちの驚くべき受難史を詳細に語って、文学的香気さえ漂わせる。本巻には序文、第1章、第2章を収録。全2巻。
目次
第1章 ヒステリー現象の心的メカニズムについて(ブロイアー/フロイト)
第2章 病歴(アンナ・O嬢(ブロイアー)
エミー・フォン・N夫人(フロイト)
ミス・ルーシー・R(フロイト)
カタリーナ(フロイト)
エリーザベト・フォン・R嬢(フロイト))
著者等紹介
ブロイアー,ヨーゼフ[ブロイアー,ヨーゼフ][Breuer,Josef]
1841‐1925年。オーストリアの生理学者、内科医
フロイト,ジークムント[フロイト,ジークムント][Freud,Sigmund]
1856‐1939年。精神分析の創始者。ウィーン大学医学部で神経解剖学を専攻。1930年、ゲーテ賞受賞。38年、ナチスによるユダヤ人迫害を逃れてイギリスに亡命、ロンドンで死去。1900年の『夢解釈』で確立された精神分析は、現代思想全般に測り知れない影響を及ぼす
金関猛[カナセキタケシ]
1954年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。岡山大学教授。専攻、比較文化学、ドイツ文学
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