内容説明
ユダヤ系でありながら熱烈な愛国者にしてゲオルゲ派。迫害と亡命。二十世紀の矛盾そのものを生きたかのような著者の法外な学殖と情熱は、王権表象の冷徹な解剖に向けられた。王は死んでも王位や王冠、王朝は存続する。その自然的身体とは独立して存在するように見える王の政治的身体は、いかにして産出されたのか。王権の政治神学的・象徴的基盤は西欧の歴史の中で、どのように編制されたのか。本書には、問題提起とシェイクスピア『リチャード二世』論に始まり、キリスト論との類比、法学的思考の浸透とその影響、王を神秘体の頭と捉える政体有機体説に説き及ぶ、第五章までを収録する。全二巻。
目次
第1章 問題の所在―プラウドン判例集
第2章 シェイクスピア―リチャード二世
第3章 キリストを中心とする王権(ノルマンの逸名著者;“アーヘンの福音書”の挿絵 ほか)
第4章 法を中心とする王権(典礼から法学へ;フリードリヒ二世 ほか)
第5章 政体を中心とする王権―神秘体(教会の神秘体;国家の神秘体 ほか)
著者等紹介
カントーロヴィチ,エルンスト・ハルトヴィヒ[カントーロヴィチ,エルンストハルトヴィヒ][Kantorowicz,Ernst Hartwig]
1895‐1963年。ドイツに生まれ、アメリカで活動したユダヤ系歴史家。ポーゼン(現ポーランド領ポズナニ)出身。ベルリン、ミュンヒェン、ハイデルベルクに学ぶ。フランクフルト大学教授。1939年アメリカに亡命、カリフォルニア大学を経て、プリンストン大学高等研究所教授
小林公[コバヤシイサオ]
1945年、横浜市生まれ。東京大学法学部卒。東京大学助手、立教大学講師・助教授を経て、現在立教大学法学部教授。法哲学・法思想史専攻
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感想・レビュー
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