ちくま学芸文庫
暗黒日記〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 470p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480087133
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

内容説明

昭和17年12月、評論家・清沢洌はある決意をもって日記を書きはじめた。のちに『暗黒日記』の名で知られるようになるこの日記は、戦後に外交史を書くための資料とすることを企図して、戦時下の政治や社会にあらわれた種々の病理現象に対する観察や批判を詳細に記したものであった。彼が痛烈に批判した現象の多くは、日本社会が長く培ってきた病理的傾向の最も凝縮された姿であり、その批判は、現在の日本を考えるに際してもきわめて示唆に富んでいる。優れたリベラリストがのこした後世への遺言ともいうべき貴重な記録。第3巻には、昭和20年、急逝直前までを収録。

著者等紹介

清沢洌[キヨサワキヨシ]
明治23(1890)‐昭和20(1945)年。長野県生まれ。小学校卒業後、内村鑑三門下の井口喜源治が創立した研成義塾に入り、感化を受ける。明治39年渡米、働きながらハイスクールを卒業。カレッジ在学中から邦字新聞の記者として活躍。大正9年、帰国して中外商業新報社に入社、のちに通報(外報)部長となる。昭和2年、東京朝日新聞社入社。同4年退社、フリーランスの文筆家となり次々と著書を発表、自主独立の評論家・外交史研究家として矜持を貫く。同20年5月、急性肺炎のため急逝
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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masabi

10
【概要】清沢洌の1945年1月から5月までの日記。第3巻。【感想】ようやく読み終わった。空襲の本格化、沖縄戦、小磯内閣から鈴木貫太郎内閣へと移譲、ムッソリーニ・ヒトラーの他界と激動の半年だ。空襲で被害を受けても戦争だから仕方ないと怒りに燃えずに受け入れる民衆の姿が描かれていて興味深かった。日本軍が中国で同様の空爆をしているとは言え、戦争が被害に対して免罪符になるように加害行為についても倫理的な歯止めがかからなかったのかと思った。2021/10/08

父帰る

4
やっと読み終えた。同じ題名でダイジェスト版が岩波から出ている。解説者北岡伸一氏曰く「戦時の日本政治の非合理性を、自由主義、合理主義の立場から徹底して描き出し、分析した本として、『暗黒日記』以上のものはない」と絶賛。北岡氏は安倍総理のブレイン。本書は元々戦時日本外交史を戦後書くために記した日記である。戦時下の日々の様子が描かれているだけではなく、「日本社会の病理についての鋭い洞察」(北岡氏)がなされている。残念なことに、著者は終戦3ヶ月前に急逝してしまった。2015/01/31

ELW

2
 当時の新聞で「悠久の大義」という表現、頻出なんですね。でも、本土で見聞きするのと、沖縄戦で降伏命令の代 わりに「……最後まで敢闘し、悠久の大義に生くべし。」 と結ばれるのでは大違い。あと、米軍報道の損害発表の統 計をとった日本の一般市民はいないのかな。そうそう、ソ 連とトルコの友好中立条約の破棄が1945年3月に発表され ており、ちゃんと日ソ中立条約の将来を予感してますね。 ソ連に平和の斡旋を期待するなんて、なんとバカなんだろ。2020/02/01

シンドバッド

0
3巻を約一月でじっくり読んだ。橋川さんの編集の妙である。2012/07/17

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