ちくま学芸文庫<br> 日本語大博物館―悪魔の文字と闘った人々

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ちくま学芸文庫
日本語大博物館―悪魔の文字と闘った人々

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  • サイズ 文庫判/ページ数 335p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480086617
  • NDC分類 810.2
  • Cコード C0181

内容説明

明治の幕開けは、欧米の言葉にくらべて複雑で難解な日本語を、簡潔な言語・文字にし、効率的に表記しようとする「近代化」への挑戦のはじまりでもあった。日本語活字誕生秘話、活字文化の大衆化を支えた人々、苦闘の末に大事典をつくりあげた諸橋轍次と大槻文彦の偉業、漢字廃止・カナ文字運動の理想と現実、ガリ版文化の開花と衰退、写植の創造に半生を傾けた男、そしてワープロの誕生…。埋もれた厖大な資料を掘り起こし、この100年の日本語「近代化」に注がれた全情報の軌跡を追う、渾身の日本語探求図鑑。カラー図版多数。

目次

第1章 幕末活字顛末期―活字に憑かれた人々
第2章 活字との密約―“壮厳なる森”に魅せられた人々
第3章 起死回生の夢―昭和活字文化の七〇年
第4章 ことばの海に漂う―諸橋轍次と大槻文彦
第5章 カナに生き、カナに死す―カナ文字運動の理想と現実
第6章 ローマ字国字論の目ざしたもの―田中館愛橘、田丸卓郎と日本のローマ字社
第7章 日本語改造法案―人工文字に賭けた人々
第8章 漢字廃止論VS.漢字万歳論―国語表記論争の過去と現在

著者等紹介

紀田順一郎[キダジュンイチロウ]
1935年、横浜生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。評論家。克明な調査と幅広い知識で、近代史、出版論、書誌、言語とコンピュータなどの分野で旺盛な評論活動を展開、推理小説も手がける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sasha

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普段、何も意識しないで読んだり書いたりしている日本語。でも、欧米の言葉に比べたら日本語に使用する文字の多さは圧倒的だ。明治以降、漢字廃止論からワープロ搭乗まで。膨大な文字数を要する日本語と格闘して来た人たちの記録。活字だとか写真植字。和文タイプライターの開発の話なんて涙もの。日本語、やっかいだけれど、母国語はやっぱり愛おしい。2013/05/19

山島 小吉

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漢字そのもののアート性は近年海外で評価されている。しかし、私たちは『力』や『鬱』、さらには、『大根』などと印字されたTシャツを来ている外人を見れば失笑するだろう。海外の人々には漢字の芸術性が発見でき、私たちが発見不可能なのは、漢字に一義的に意味を見つけてしまうからだろう。文字に一犠牲を要求したのは、電子メディアの発達であり、それを逃れようと新字を作り出そうとした試みは、本書で触れる事が出来る。2013/05/11

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